【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ18)

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「おっも…」

「大丈夫ですか？Aさん」

「いやぁ…ドレスの下に給仕服は流石に重いですよ」

作戦実行当日。空はもう黒で覆われていて、星が散りばめられている。

私はドレスを摘んで持ち上げて試しに歩いた。

このドレスには下に給仕服、つまり二重層になっている。なぜなら、国王に近づくタイミングが、客人としてかメイドとしてか、まだ確定していないから。

いざと言う時はこの上のドレスを剥ぎ取ってメイドに擬態するつもりなのだが、かなり動きにくい。

更に、武器や毒針を少し持ち込む為に仕込んである分も重さとして追加されている。

何とか走れるレベルだ。

「本当に、早く終わらせちゃいましょう。こんだけ着飾っていれば、王様も気にかけるくらいはしてくれるはずですし」

「は、はい。…その、お綺麗です」

「あはは、お世辞ありがとうございます」

ヒールで1歩ずつ踏み出す。転けはしないけど歩きにくい。階段をのぼってみれば、目の前がダンスホールで広がった。

皆、談笑して、音楽を楽しんで、料理を楽しんで、お酒に酔って。

何とも混じりにくい雰囲気に焦りながらも、中に入る。

少しばかりの注目が集まり、冷や汗をかき始めた。このままではいけない。とりあえず、王様がどこにいるのか確認しなければ。

次の行動を考えていたその時、「どうも」と後ろから声をかけられた。

ココ最近、嫌になるほど聞いてきた声。

「…総長？」

「こら、ここでそう呼ぶな」

何やら怪しい仮面をつけている人物がこちらに近づいてそう話す。総長だということが確定して、一安心した。