【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ2)

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「…やっと終わった……」

背もたれに寄りかかり、大きく伸びをする。あれから数時間。ようやく溜めていた書類仕事を終わらせることが出来た。

コアラはもうとっくのとうに、ここにはいない。1人だけの空間に落ち着きながらも立とうとすると、急にがくりと、前のめりに転けそうになる。

「うおっ！？」

何とかして体勢を立て直す為に、机に手をつく。

そこでようやく、自分の息が上がっていることに気がついた。

倦怠感に襲われながら、何とか机から手を離す。

壁を伝ってゆっくりと歩いて部屋を出る。もはや引き摺るようだったが、何とか1歩1歩足を前に出す。

誰かに見つけてもらえれば、自分の異常な状態を何とかしてくれるかもしれない。そんなことを願いながら。

しかし、とうとう限界だと直感して、床に座りこもうとした。

その時だった。

「…参謀総長？」

あまり聞き馴染みのない声だった。鈴のような声色。

ぼやける視界で何とかその顔を拝もうとするも、焦点が合わない。

「…すまねぇ……なんか体が変なんだ…」

「えっと」

「自分でも、何が何だか分からねぇし…」

「毒を盛られていたりは」

「ない、はずだ」

「倦怠感はありますか？」

「ある。数時間前より増してる」

「どこか痛いところはありますか？」

「頭、と関節」

簡潔な質問が連続する。その間にも、呼吸が激しくなっていく。

「私の肩に腕を回してください。医務室に運びます」

「医務室…？」

「恐らく風邪ですよ、総長」

そう告げられた時、やっと、その声の持ち主の顔が少し見えた。

焦った表情でこちらを覗いている。

俺の額に手を伸ばし、「酷い熱」と呟かれた、そこで俺の記憶も終わっていた。