【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ3)

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「─────────っ！？」

不意に広がる視界。

汗でジメジメとする服。

自分のものでは無い寝具。

体を起こして周囲を確認する。

異常無し、というより、ここは医務室のようだ。

「…あの、大丈夫ですか？」

「…？」

声のした方を向く。同時に、声を聞いてハッとした。俺は体調不良で運ばれて、医務室で寝かされたのだと。

身体の向きを人の気配のする方に向けたはいいもの、カーテンが邪魔をして顔が見えない。

「すまねぇ。俺はどれくらい寝ていたんだ？」

「半日です」

「良かった、何日も経っているのかと」

「普通は何日もかけて治すものですが…」

「いや、俺にはそんなに休む暇はない。えっと、名前は…」

「Aと言います。革命軍になってからまだ一月ほどしか経ってません。以前はとある国の兵士でした」

「あぁ、別に疑ってない。紛らわしくて悪かった」

スパイか何かだと勘違いされていたら困る、と言いたげな自己紹介に、俺も怪しんでなんか無いという意味合いを返す。

そう言えば、確かに一月前にどこかの国が人身/売買を秘密裏に行う計画を企てていた、なんて話を思い出した。すぐ俺達に突き止められて終わっちまった国だが。

恐らくそこの兵士だろう、なんて予想をしていれば、不意に扉を叩く音が聞こえてきた。

「どうぞ」と、Aと名乗った人物がノック音に返せば、扉の開く音と、よく知っている声が入ってきた。

「あっ、A！？なんでここに！？」

「コアラさん」

「もしかして、サボくんの看病してくれたのってAだったの！？」

「はい」

恐らく俺の様子を見に来たであろうコアラは、「A」と知り合いのようだった。

「サボくーん、起きてる？」

「あぁ」

「良かった。ごめんね、仮病だなんて言って」

カーテンを少し開けて、そこから顔を出したコアラはそう謝った。

俺は不服そうな顔を故意的にして告げる。

「たまには俺の言う事も信じてくれよ」

「本当にごめん！サボくんの日頃の行いが悪くてつい」

「あんま悪いと思ってないだろ」

「悪いと思ってるよ」

苦笑いをしながらコアラはそう言った。

それから、体調を元通りにする為、今日はもう休みでいいと告げられ、今日の分を今後どこで取り返すかという話し合いだけをした。

どうやらその間に、「A」は部屋を出て行ったらしい。