ポートマフィアに入社してきたのは、川端康成の孫でした。

吾は先代川端康成の孫、川端(名前)。今吾前に汝の姿を現したまえ―――――。 ページ13

「よっと。」
軽やかに着地した康成はサッと甦りの書を掏る。
「全く…真美子さん、蔵の掃除の指令がもうちょい遅かったな〜。」
「お・じ・い・ちゃ・ん？」
「何だい吾愛する孫娘よ。」
「叩き潰すよ。女たらし糞爺が。」
「康成！ひ、久しぶりじゃないか！」
「おお〜！相変わらずの無愛想だね諭吉。まあそんな処もこっから全部見てたけどね〜。あ、君新入りの…敦くんだよね？鏡花ちゃんは呆れるほど見たけれど。嗚呼、大丈夫。死人がポートマフィアに身柄預けることなんて無理だから。」
云うだけ云うとバシバシと太宰と中也を叩いた。
「ちょ、康成辞めろよな〜。痛ぇっ！」
「あー、痛いよ康成〜。」
「太宰はともかくとして、中也は全然変わってないんだねぇ、ま、全部こっちは判ってるけど。」
「ひっでぇなぁ、康成…。」
終始和やかな雰囲気に、敦が谷崎に聞いている。
「た、谷崎さん……。どう考えても、康成さんの方が年上に見えますけど、何で太宰さんはタメ口なんです？」
「嗚呼、康成はね、敬語で話しかけられるのが嫌いなんだよ。だから、『僕と話をするときは必ず敬語は使っちゃ駄目だからね！』って云われるんだよ。」
「そうだよ〜。例え災害指定猛獣でも、敬語は駄目だよ。」
「は、はぁ…。」
敦はどうも合点がいかないようだ。谷崎は心の中で同情した。
「其れで、おじいちゃ…って御祖父ちゃん！？」
吃驚して後ろを振り向いた時には、時すでに遅し。事務員の人たちと、何やら談笑している。
「御祖父ちゃん！私を呼び出した理由は何！？」
「おお！其の事を話さねばならんかったな！」
「気づくの遅い！」
「実は、御前には、渡していない“もう一つの異能”があるんじゃ。其れはな……。」
「勿体ぶらないでいいから。」
「中也。僕に向かって、異能かけてみ。」
「えっ。あ、嗚呼…。」
「頑張れーちびっこマフィアー！」
「死ね青鯖！」
そう云うと中也さんは異能を発動した。

ニヤリとおじいちゃんの口元が緩む。

「異能力―――――『雪国』。」

「えっ、うええええ！？」

＜あとがき＞
勿体ぶらないで云えよな！どうも、紫吹桜です！
急ピッチで書けました！いろいろやらなきゃいけないことあるのに…。
それでは！時間も惜しいのでこの辺で！バッハハ〜イ！

異能力――――『雪国。』→←甦りの書。

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