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7、女、女って ページ8

黒木に促されて、話し始めた1人の女子。


話を聞いててね、率直に思ったこと。

……常識、って言葉を知ってるか?


若武が言った通りだと思うけどな。

自分は、勝手に触られたら怒るくせに、人に平気でやろうとすることが謎。



「ああ、そう!よく分かりました。自分の言ったことを覚えておくのね」


「お前らもな」


捨て台詞を残して引き上げて行った女子グループに、私は言ってやった。


お前らだって、あとから落ち着いて考えれば、分かることだろーが、って思ったから。

気づかなかったらさ、ね。




「やあ」

彩ちゃんがいることに気づいて、黒木が声をかける。

「やほー」

「……花珠ちゃんだよね?」

「え?」

「メガネしてるし、キャップ被ってて一緒誰かと思った」

「あぁ、なるほど」


と、私と彩ちゃんで会話を繰り広げていると、やがて上杉が口を開いた。


「悪かったな」

若武は、吐き捨てるように呟いた。

「ああいう女って、最低」

若武は、未だにあの女子たちを睨んだままだった。


「超ムカつく」

黒木は、大きなため息をつくと、窘めるように言った。


「なにも本気になることないじゃないか。相手は、女の子なんだぜ」

「なんか、アイツらを女の子、って言いたくない」

「女だから、ってなんだよ」

上杉は、女嫌いだからね。

「今の女は、充分、強いよ。俺たちより強いくらいだ。だから、こっちばかりが我慢して手加減して守ってやらなくちゃならないなんてこと、ないだろ。モロにぶつかったって、構うもんか。若武、行こう」

2人は、完全にむくれあがってて、自分の自転車を引き出してキーを外した。

「ほんとに、嫌いだよね。女」

ケラケラ笑う私って、完全にKYだと思う。


私さ、やっぱり女だ、って思われてないよね。女の格好した、男みたいな扱い。

……あ、それじゃ、変か。




「ちょっと誤解があっただけだと思うけど」

そう言ったのは、彩ちゃんだった。

誤解を解くように、彩ちゃんは喋った。

あの女子たちの肩を持つって言うよりは、女に対するイメージについてだったけど。


「でも女の子の全部が、そういうわけじゃないから」

小声で呟いた彩ちゃんの声を聞いてか、若武が口を開く。

「いくら言ったって、わかりゃしねーよ。立花も、どうせ女なんだから」


「彩ちゃんは、違うと思うけどな」


私が言ったのと同時に、小塚の声がした。


「遅れてごめん。立花、できた?」




「ええ、もちろん」

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柚姫 - KZのほかのシリーズも作ってください!応援してます! (2021年6月14日 16時) (レス) id: 76382fa356 (このIDを非表示/違反報告)
つばくらめ(プロフ) - 日向飛沫さん» 読んで下さり、ありがとうございます!更新頻度をあげれるように頑張ります (2019年7月29日 15時) (レス) id: 771d970bd8 (このIDを非表示/違反報告)
日向飛沫(プロフ) - 何時も読ませて頂いています。更新頑張ってください! (2019年7月29日 14時) (レス) id: 5cd376c69b (このIDを非表示/違反報告)
つばくらめ(プロフ) - アオイさん» フリガナ振ってなくてすいません![はなみ]と読みます!コメントありがとうございます!更新頑張ります!! (2019年7月6日 14時) (レス) id: 771d970bd8 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - 夢主ちゃんの名字の読み方教えてください!更新頑張ってください!! (2019年7月6日 13時) (レス) id: fd0d6f525d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つばくらめ | 作成日時:2019年5月8日 22時

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