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インターホンを押す。はーい、という小塚の声を聞き、玄関へ行く。
普段なら、小塚の靴しかないはずなのだが、今日はもう1足ランニングシューズがあった。
……他にも誰か呼んだのか。
上杉は、おば様の靴ではないだろうから、KZの誰かか、小塚の知り合いだろうと頷き、小塚の部屋へ入った。
「お前かよ」
「第一声がそれとか泣ける」
ソファで本を読んでる、花珠がいた。花珠は、パタリと本を閉じ、
「よし、お菓子パーティーだ」
と言って立ち上がった。上杉は、小塚の姿が見当たらないと、周りを見る。まだテーブルの上にお菓子類が乗っていないのを見ると、取りに行ったのだろうと納得した。
「いらっしゃい、上杉。見て、こんなにつくったもんだから1人じゃどうにか出来なくて。それに、甘党の花珠がいれば良いかなと思って誘ったの」
小塚の持っている、ケーキはワンホールで見ると小塚と上杉だけではどうにも出来なそうな量だった。どれだけ花珠が食べると思われてるのか、というはなしだが。
「美味しそうだね〜」
目をキラキラさせる花珠。あ、ちょっと待ってね、と隣にあった袋を持ち上げる。
「あのね、ご馳走になるだけって気が引けるからさ、私もケーキ持ってきたの」
中からは、チョコレートケーキとバームクーヘンが出てくる。
「お前ら、こんなに食えんのかよ……」
半ば呆れている上杉は、2人にそう言うが、その2人は揃って言う。
「食べないとおば様達が、悲しんじゃうから、仕方ないよね」
「ケーキ美味しいもんね、食べ切れると思ってるから、持ってきてるんだもんね」
まぁたまにはいいか、と上杉も頷き、小塚が紅茶を入れてきたところで、お菓子パーティーが始まった。
「ケーキありすぎねーか」
「まさかのケーキ被りだったよ、ごめんね小塚」
ただ、種類が違うからね、と花珠はショートケーキを頬張る。丁寧にフォークを刺すと、そのまま口へ運ぶ。
「気にしなくて大丈夫だよ。あ、花珠のケーキ、おば様達にあげてもいいかな?」
「私なんかのでいいなら、全然いいよ」
小塚に聞かれ答える花珠だが、花珠のケーキもプロ並に美味しかった。
俺は何をしに来たんだっけ、と思いつつも上杉は、チョコレートケーキを食べる。ふわっとしたスポンジがたまらないのだ。
「花珠、これお前作ったの?」
「うん、チョコレートはね。バームクーヘンはお母さん。チョコレートって最強だと思ってるから」
「意外に女子力」
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作者名:つばくらめ | 作成日時:2019年4月22日 20時