4、切り替えが早い ページ5
「若武、ほんとに短気だよね。すぐ頭に血ぃのぼるんだから」
「あぁ、短気なのもあいつの悪いとこだな」
私と上杉でそう言うと、
「たとえ欠点が山ほどあっても、オレはお前に1目置いてるって言おうとしたのにさ」
黒木が、上杉の首に腕を絡ませ、自分の胸の中に引き寄せて言った。
「ほんとに?」
「なわけないだろ。そんなこと口が裂けても言わねーくせに」
そう言って、私と上杉は笑った。
「お互い様だろ」
黒木もちょっと笑った。
「まあな」
その時、授業開始のチャイムがなり始めた。
私達は、慌ててバッグを掴む。
授業遅刻じゃん!
「黒木、若武の持ってけよ」
上杉は黒木に若武のバッグをなげる。
「どうせ、もう冷めてるでしょ。若武」
そう言いながら、私達はドアから出ていく。
彩ちゃんが小塚を呼び止めていたみたいだけど、私は、そのまま授業へ行った。
授業が終わると同時に、若武が三谷Cに入ってきた。ドアのところだけど。
「上杉、小塚、花珠!今すぐ特別クラスにこい!」
そう叫んで出ていった。
「ねね、上杉。あいついきなりどうした」
「知らん」
上杉今、鼻で笑ったでしょ。
「きっと若武のことだから、大した話じゃないと思うよ」
そんな話を2人としながら、私は、特別クラスへむかった。
若武、さっきまで怒ってたのに、切り替え早いな。熱しやすく冷めやすいのか……?
38人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:つばくらめ | 作成日時:2019年4月22日 20時