検索窓
今日:25 hit、昨日:3 hit、合計:70,334 hit

15、自転車が教えた ページ15

「小塚、ちょっと」

しばらくして、上杉が小塚を呼んだ。
そして、2人は額を突き合わせ、話し合う。

「……かな」
「いや、それなら、だろ……」
「そうか。じゃ、こういうのは?1部分がかけてるからさ……」
「ああ、それはあるかもしれない。だって…」


すげー、もはや、小学生じゃないみたい……
なんてことを考えてたら、2人は結論を出したらしく、立ち上がって、振り返った。

「僕達の考えを発表する」


なんか、あらたまってて、緊張するわぁ。

小塚が言うと、若武は立ち上がって、腕を組んだ。

「よし、聞こう」

黒木も身を起こす。

「結論から言えよ、その方が早い」

この2人はどこまでやってくれたのかね。

「僕の考えでは、」

そこまで言った小塚は、上杉を振り返った。
あれか、私たちの気迫にやられたか。

「俺達の考えでは、この自転車を盗んだ犯人は、新田町に住んでいる緑色の外車を持った人間で、盗んだ日にはものすごく焦っていたやつだ。そしてその外車は、今、壊れている」


……スゲーな、おい。

みんな、口をあけたまま。



若武と黒木が、どうして分かった?、と聞くと、上杉は自信たっぷりに笑って言った。


「この自転車が、教えてくれた」


……自転車が、教えた。

え、なんか、決めゼリフみたいだった。
すんごい決まってたよ、ちょっと。


「説明するから来いよ」

そう言った上杉の傍に、すぐ若武が歩み寄った。

相変わらず早いな、若武。

みんなが近寄ると、上杉は話し始めた。

「まず、ハンドル、ブレーキレバーのわき、シートチューブ、クランク、フロントフォーク、それからサドル、シートピラー」

指で、順番にそれらを差す。

「よく見てくれ、かなり傷ついているだろう。その傷の中にところどころ、緑色が入っている」

ほんとだ。

「小塚、これらについて説明してくれ」

上杉に言われ、小塚は、自分の手のひらを私たちの前に差し出した。



緑色の、塗料?

感謝!!→←14、野村グラウンド



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:つばくらめ | 作成日時:2019年4月22日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。