私、視えるようになりました。 (ページ29)

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「そう。最近、妖の数が数年前と比べて確実に増えている。しかも、人に被害を及ぼすようなレベルの妖がね。」

「辰哉くんたちが消してても……ですか。」

「うーん、普通はさ、妖同士が意識を吸収して生活してるんだから俺らが消さなくても数自体は減っていくはずなんだよ。」

「だけど、減るどころか増えてんの。困っちゃうよねぇ。俺らが今日呼び出されてたのはこれの事。警戒しとけってね。」

「そうだったんですね…」

辰哉くんたちは物凄い仕事をしてるのだな…と思うと同時に、視えることがいかに大変で、視えるのに何も出来ない自分が少し嫌になる。

「あとは、妖が生まれる原因の解明に努めている部署もある。根本的に解決できるようにね。Aちゃんも今度行ってみる？」

「はい、行ってみたいです！」

そこにはどんな人がいてどのように仕事しているのだろう。

考えただけで楽しくなってくる。

「ふふっ姫、なんだか嬉しそうだね。」

「へ？あ、ちょっと楽しみで…」

「興味持ってくれるのはめちゃ嬉しいね。えっと、大体の説明はこんなところかな。照、他になんかあるっけ？」

「あー、大丈夫だと思うけど、Aちゃんが俺らが今後妖を消去する場面を見ることもあるかもしれないから一応説明しとく？」

「あぁ、そうだね。えー、俺は音を使って消すことが多いかな。Aちゃんと初めて会った時みたいに指を鳴らしたり、手を叩いたり自分で音を出すとその音が力をもって妖を消去するって仕組み。ただ、音は性質的に届くまでに吸収されがちだから1回に消せる量は限られてるんだけどね。」

音……

あまり想像がつかないけど妖からしたら耳に入れたら終わりなんだから怖いよな……

「で、照はー」