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やばい、手汗かいてないかな？
さっきから顔がずっと熱い。
第一、異性とこんなに長い間手を繋ぐことなんてなかったし。
「ねー、Aちゃん聞いてる？」
「え？あ、ごめんなさい……」
「あのさぁ、Aって呼んでもいい？」
「へ？あ、全然いいですよ？」
突然だな……
「ほんと？なんかびっくりしてんね。」
「あ、いや、あんまり呼び捨てで呼ばれることなかったので。特に異性の方には……」
「あ、そーなの？でもなべは呼び捨てだよね？」
「たしかに、そうですね。あんまり違和感なかったな……」
「なにそれ〜深澤さんかなしー」
「あ、それとも、なべより意識してくれてたり？」
急な辰哉くんの質問に思わず固まってしまう。
「ちょっと、辰哉くん笑わないでくださいよ…！別に違いますから！」
「え〜？それはそれで悲しいんだけど？」
「悲しくていいです！」
「ひどいね〜もう！」
辰哉くんが手を握る力を強めてくる。
「え？ちょっと、強いです！」
「いいの、Aのせい。」
そう言ったかと思えば、急に手を離して先に走って言ってしまう。
「ちょっと、待ってくださいよ！」
同じように走り出して、やっと辰哉くんに追いつけると思ったら、いきなり視界が暗くなる。
「いてっ、急に止まらないでくださいよ…！」
なんだと思って見上げると辰哉くんがじっと見つめてくる。
「ねぇA？俺の事、意識してくれてもいいんだからね？むしろちょっとぐらいはして？」
「え？……別に、今までだってしてないとかじゃないですけど…？」
「んは、そーなの？じゃあそのまま続けてね？」
「……いいから、早く行きますよ。」
「あー照れてるんだ？」
「照れてないです。」
「いーや、照れてるね。」
にこにこしながら、私に追いついた辰哉くんはさっきと同じように手を繋いできた。
「手、冷たいですね。」
「うん、あっためて？」
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作者名：mariri | 作成日時：2023年3月18日 18時
