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向井さんに連れていかれ辿り着いたのはまさかの私達が住んでいる家だった。
「え、ここ……」
「俺はもう何回も来てるんやけど。聞いてへん?家事頑張ってくれてた!みたいな。」
まさか……
「辰哉くん達が定期的にくるって言ってた方…ですか?」
「おぉ、俺の扱い雑やな。あと、辰哉くん!?」
「あ、今日からそう呼べって。私が硬いかららしいんですけど。」
「はぁー、ふっかさんもようやるなぁ。抜かりないわぁ。」
「あの、先程は助けて頂いた?と思うので、本当にありがとうございました。」
「あー全然。ふっかさん達に頼まれてたしな。無事で良かったわ。」
「頼まれてたんですか?」
「おん、今日は遅くなるだろうからAちゃんの事見とけって言われてな。」
「そうなんですね。あ、そういえば名前……」
「AAちゃんやろ?それ以外もふっかさん達から聞いてるわ。安心してな。で、俺は向井康二。俺のことも康二くんって呼んでくれたら嬉しいわ。」
「康二くん…ですか?」
「せや。バッチリやな。今日はもう遅いし、風呂入ってゆっくり休んでな?ある程度は俺がやっとくから。」
「すみません…お言葉に甘えさせて頂きます。」
「気にせんでな。怖かったやろ?俺も相当なスピードで走ってしまったし。」
康二くんは会ったばかりなのに私がお風呂に入るまでずっと気にかけていてくれた。
「康二くん…色々とありがとうございます。」
「どういたしまして。ふっかさん達には俺から伝えておくから。じゃあおやすみ。」
「はい、おやすみなさい。」
そこから私の意識が落ちるのは言うまでもなく早かった。
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作者名:mariri | 作成日時:2023年3月18日 18時