海の泡になって消えるから -第6章-

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北山が本当は生きていたこと

違法薬 物の密売組織を特定しようとして命を狙われたこと

身を守るため、これまでずっと隠れて俺達と一緒に事件の真相を探っていたこと





息継ぎも忘れ一気に話し終えると、ずっと黙っていた刑事は一つ大きな息を吐き苛立った様子でガシガシと頭をかいた。




『＿それ、映画かなんかの脚本ですか？』





は？と真っ先に反応したのは、宮田のことでまだ怒りが抜けきっていないニカだった。

睨みつける二階堂に苦笑した刑事がいやいやと首を振る。






『いや、あまりにも突拍子も無い話だったので、驚いてしまって』


「…っでも、本当なんです」




はぁ、と大きな溜め息が室内の空気を重くする。

『あのね、藤ヶ谷さん。お気持ちはわかりますけど北山さんはあの日亡くなったんです。
医師がきちんと死亡確認を行いました。一度死んだ人は生き返って病院を抜け出したり、自分で犯人探しをしたりなんかしません。あり得ないんですよ、そんなことは。確かにご遺体をまだ見つけられていないことは申し訳ないと思いますけど、だからといってこんな形で責められては＿』


「っそんなつもりじゃ…」


『あり得ないっつったって、実際に生きてるんだよミツは！会ったんだオレらは！
一緒にいたんだ、今朝までっ…！！』


『では、その北山さんはどこに？』


『だから玉森を刺した奴らに連れてかれたんだって何回も言ってんだろ！！』




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