海の泡になって消えるから -第6章-

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長い、長い一日だった。

病室に残された俺達4人は北山の存在を警察に
話すことに決めた。

北山が追っていた事件の真相も、
俺らに真崎航の共犯の疑いがかかってることも
あいつの身の安全と比べれば全てどうでもいいことだと思えた。

とにかく一刻も早く、見つけ出したかった。





連絡をして数十分ほどで現れた刑事達は病室へ入るやいなや玉森を刺した犯人が捕まったと
告げた。

胸元から出してきた一枚の写真。

地元の若いチンピラで、ひどく酒に酔っていた。金目当てに襲ったんだろう、と若い刑事はは言った。
写真の中ではわかりやすくガラの悪そうな短髪の男がこちらを睨みつけていた。

ベットに横たわったままの玉が、目の前の写真を穴が空くほど見つめる。






「玉、こいつなの…？」


『…違う、』






刑事のこめかみがピクリと動く。






『こんな奴じゃなかった。こいつ、誰ですか』






玉が目を向けると、刑事は写真をひらりと回収してそのまま写真を胸ポケットに入れた。





『玉森さんは背後から刺されたのでしょう？
犯人の顔なんて、見れなかったんじゃないですか』


『見たよ！ミツが連れてかれる時、全員の顔をしっかり見た。絶対に見間違えたりしない』



『…はい？どういことでしょうか？』








どくん、どくん、

大きな音で心臓が鳴る。





大丈夫だ

無事でさえいれば、俺らはどんなことでも乗り越えられる。

あいつが、無事でさえいてくれれば。





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