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『気づいてたから、辛かったんだよね。ごめんね、玉』
『＿っ違う！！！』
大きな声を出した玉森が、反動で苦しそうに咳き込む。
宮田はそんな玉を心配するでもなく、オレに向き直って淡々と話を続けた。
さっきまで、涙ながらに玉の心配をしていた宮田と同一人物とは思えない、初めて見る宮田の顔だった。
「何…？なんなの…」
『真崎航が、言ったんだって。“お前らはアレが偽物だってことにまだ気づかないのか”…って』
……は？
『ニセモノ…？』
繰り返す千賀の声が耳元で響く。
知ってる言葉なのに、その言葉の意味が理解できなくてグルグルと頭の中を回り続けた。
目の前にいる宮田が、まるで知らない人のように見えて怖かった。力の入らなくなった手がプランと下に落ちて、宮田の落ち着いた声が秒針の音と混ざる。
＿嘘
嘘だ。
そんなわけない、だって、
だって…
『そう言われてみれば、確かに今までもおかしなことはいっぱいあったんだ。でもそれも全部見ないようにしてた。ただ信じたくない現実から逃げてたんだよ、オレたち。だってオレらはこの目で見たじゃん。冷たくなったキタミツに、触ったじゃん、あの日＿』
『＿やめろよっ！！！』
かき消すように叫んだ千賀がスローモーションみたいに膝からずるずると崩れ落ちていく。
その体を、視界の端に捉えながら支えてやることも出来なかった。
自分の手を、体を、どうやって動かしてたのかすらわからなくなっていた。
『お願い…もういやだ、…』
すすり泣く声だけが響く部屋で、オレは無意識にガヤの言葉を待っていた。
“なに言ってんだよ“
“そんなことあるわけないだろ”
“大丈夫だから”
そう、言って欲しかった。
いつだって、一番に優しい言葉をかけてくれるのはガヤだったから。
でも、ガヤは空中の一点を見つめたまま動かなかった。
『とりあえず、オレは一抜けさせてもらうから』
あっさりと言い放った宮田はオレらの方を見ようともせず病室から出て行った。
もう、誰も何も言えなかった。
スライド式の扉がゆっくりと閉まり、足音が遠のいていく。
＿“間違いだったんだよ、全部”
静けさの中で、宮田の言葉がいつまでも耳元に残っていた。
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つーちゃん(プロフ) - ２日間で一気に読み進んだお話。想像のつかない展開にドキドキハラハラ心拍数が上がりっぱなしです。これから真意に迫って行くところですね。７人とって善き解決に向かっていきますよう楽しみにしております。 (2022年7月9日 21時) (
レス) id: 51a599cbd1 (このIDを非表示/違反報告)
なぁまま(プロフ) - 面白すぎて、あっという間にここまで来ました。続きが楽しみです。 (2020年10月29日 14時) (レス) id: abc3e4578f (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 1番好きな 作品です。更新を楽しみにしています。 (2020年6月3日 17時) (レス) id: 61ecb5f320 (このIDを非表示/違反報告)
えみ - 更新楽しみにまってます！ (2020年5月9日 1時) (レス) id: 168f28a7c6 (このIDを非表示/違反報告)
みつみつべー(プロフ) - 続き気になります！！読みたいです！！頑張ってください (2020年5月7日 22時) (レス) id: d4a37c70fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mini7
| 作成日時：2019年2月22日 1時
