M ページ28
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携帯を取り出して玉の連絡先を探す。
おそらく玉はキタミツと一緒に居るだろう。
警察が来たタイミングで2人が出かけていたのは不幸中の幸いだった。
今、オレたちがキタミツの存在を隠していたことまで知られてしまっては、警察のオレたち全員に対する疑いはますます深まるに違いない。
手元の小さな画面の中でようやく見つけた名前をタップすると、ちょうど1コール目が終わると同時にコール音が途切れた。
《…なに》
いつもの少し不機嫌そうなその声にひどく安心している自分が居て、己の気の小ささに少し笑える。
「あ、玉、今キタミツと一緒？」
周囲を伺いながら、何から伝えるべきかと混乱する頭を懸命に捻る。
《うん、一緒にいるよ。もう帰るから＿》
「ダメ！帰ってきちゃダメ！」
咄嗟に大きな声が出て、慌てて自分の口を塞ぐ。
周りにいる客が、怪訝な顔でチラチラとこちらを見ているのがわかった。
《は？》
「警察が来てる。真崎くんが捕まったって、それで…横尾さんが警察に連れてかれた。犯人の逃亡の手助けをした疑いがあるって、だから…っ！」
周囲の視線から逃れるように店内を足早に歩く。でもその行動は余計に怪しさを増長したらしく、オレを怪しむ視線は増えていくばかり。
一旦店を出よう、そう思って振り返ると、思いがけない人物がオレの目の前に立っていた。
ドクンッ…と、ひとつ大きく心臓が鳴る。
『どうも、宮田さん。…玉森さんは見つかりましたか？』
ゆるく微笑んだガタイの良い刑事の目は少しも笑っていなくって、背中にジワリと嫌な汗が伝う。
通話を切る瞬間、遠くの方でキタミツの声が聞こえた気がした。
「え…いえ…それがまだ…」
『へぇ…ではどなたとお電話を？』
「それ、は…」
一瞬たりとも視線を逸らさないその眼力はまさに蛇のようで、ジリジリと追い詰められる感覚に言いようのない恐怖を感じた。
宮田さん、と再度呼ばれて顔を上げると、お面のような不自然な笑顔を浮かべた刑事の口がゆっくりと開く。
＿『我々と、取引をしませんか？』
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つーちゃん(プロフ) - ２日間で一気に読み進んだお話。想像のつかない展開にドキドキハラハラ心拍数が上がりっぱなしです。これから真意に迫って行くところですね。７人とって善き解決に向かっていきますよう楽しみにしております。 (2022年7月9日 21時) (
レス) id: 51a599cbd1 (このIDを非表示/違反報告)
なぁまま(プロフ) - 面白すぎて、あっという間にここまで来ました。続きが楽しみです。 (2020年10月29日 14時) (レス) id: abc3e4578f (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 1番好きな 作品です。更新を楽しみにしています。 (2020年6月3日 17時) (レス) id: 61ecb5f320 (このIDを非表示/違反報告)
えみ - 更新楽しみにまってます！ (2020年5月9日 1時) (レス) id: 168f28a7c6 (このIDを非表示/違反報告)
みつみつべー(プロフ) - 続き気になります！！読みたいです！！頑張ってください (2020年5月7日 22時) (レス) id: d4a37c70fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mini7
| 作成日時：2019年2月22日 1時
