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T ページ24





俺が宮田から連絡を受けてまだ10分も経ってない。

同じタイミングで先生に連絡をしていたとしても、誰かに頼んで俺たちを迎えに来させるなんて、あまりにも手際が良すぎるだろ。





『詳しいことは車の中でお話ししますから、とりあえず乗って下さい!』





もう1人の男に促されミツが連れて行かれそうになる。

その男の後ろ姿に、何やら不自然な膨らみがあることに気がついて、咄嗟に体が動いた。





『玉森さんも早くっ…!!?』




背後から体当たりをして、ポケットから抜き取ったソレ。
ずっしりと重くて硬いそれは、以前何かの撮影で使ったものと見た目は似てるのに全然違った。





『たまっ!?』

『てめぇ、何…っ!』

「先生のオトモダチが、ずいぶん物騒なもの持ってるんですね」



男たちの顔から穏やかな雰囲気がスッと消えて、屍のような冷たい目だけが無表情の中でギラリと光った。

黒光りする小さな拳銃。

初めて手にするそれに、心臓はバクバクしてるのに頭はやけに冷静だった。






『あ〜ぁ、』


「…っ?」


『余計なことしなけりゃ痛い思いしなくてすんだのに』


「は…?」



ドスッ…と背後から鈍い衝撃を受けるのと同時に背中の一部が焼けるように熱くなった。

ジワっと広がっていく熱いものに手を伸ばすと、まるでその一点に心臓があるみたいに
ドクン、ドクン、と耳鳴りに近い鼓動が聞こえる。

何が起こったのかわからない頭で、ミツが叫ぶように俺を呼んでその手を伸ばすのが見えた。


あぁ、そうか、刺されたんだ、俺、



力が入らなくなった膝からゆっくりと崩れて行く。自分の体なのに、まるで何かのスローモーションを見ているみたいな不思議な感覚。

遠のいていく意識の向こうで男たちの声が聞こえた。






『バカお前。手荒なことはするなって言われてただろ。どーすんだよコレ』


『はぁ?誰かさんが素人相手にハジキパクられるなんてダサいことしてるからだろーが』


『うるせぇ』


『まぁ大丈夫だろ。こっちのさえ無事なら兄貴も何も言わねえよ。大事な大事なサンプルだからな』





朦朧とする意識の中で、会話の中の言葉が断片的に耳に入ってくる。

サンプルって…?






『っ…!はなせっ!!たまっ!?たまっ!!!』





あぁ、ミツが泣いてる。

助けなきゃ。守るんだ、ミツも、みんなも、今度こそ俺が、絶対…




T→←T



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つーちゃん(プロフ) - 2日間で一気に読み進んだお話。想像のつかない展開にドキドキハラハラ心拍数が上がりっぱなしです。これから真意に迫って行くところですね。7人とって善き解決に向かっていきますよう楽しみにしております。 (2022年7月9日 21時) (レス) id: 51a599cbd1 (このIDを非表示/違反報告)
なぁまま(プロフ) - 面白すぎて、あっという間にここまで来ました。続きが楽しみです。 (2020年10月29日 14時) (レス) id: abc3e4578f (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 1番好きな 作品です。更新を楽しみにしています。 (2020年6月3日 17時) (レス) id: 61ecb5f320 (このIDを非表示/違反報告)
えみ - 更新楽しみにまってます! (2020年5月9日 1時) (レス) id: 168f28a7c6 (このIDを非表示/違反報告)
みつみつべー(プロフ) - 続き気になります!!読みたいです!!頑張ってください (2020年5月7日 22時) (レス) id: d4a37c70fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini7 | 作成日時:2019年2月22日 1時

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