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『うぁーっ！』
玄関を出て、少しひんやりした空気の中で気持ち良さそうに伸びをする小さな背中。
傾きかけた日の光が透けて、ミツのふわふわの髪が金色に光ってる。
空はまだ青いから、きっと日没までにはもう少し時間があるんだろう。
突然振り返ったらどうしよう、なんて思いながらもその背中から目が離せないまま少し距離を取って後ろをついて歩く。
陽の光が眩しくて、その姿を見失ないそうで怖かった。
「…ガヤは？」
『え？』
突然俺を散歩に連れ出した意図がわからなくて不安になるから、ミツが何かを話し出す前に俺から話題を振った。
睡魔に負ける直前、屋上からはミツの歌声とギターの音が響いていた。
あぁそうだ、
それで俺、いつもより深く眠ってたんだ。
「ガヤ、一緒じゃなかったの？」
『あぁ…そうね、一緒だった、かな、』
「なにそれ」
歯切れの悪い返事にまた何かあったのかと心配になる。
2人の関係は切っても切れない強さがある反面、些細な事でお互いに無意識に傷つけあってしまうような危うさと常に隣り合わせだった。
『や、別に。藤ヶ谷眠っちゃったから…』
「ガヤが？」
時刻はまだ午後4時を過ぎたばかり。
普段からあまり寝ないガヤがこんな時間に寝るなんて…
『なんか、寝不足だったっぽいよ』
具合でも悪いのかなと心配になっていると、それを見透かしたようにミツが付け加える。
普段は相手の目をしっかり見て話すミツが、今日はまだ一度も俺の方を見ようとしない。
振り返らないままずっと前を見て歩くくせに、その歩くスピードや雰囲気で後ろにいる俺のことを気にしてくれてるのがわかるから、
また、胸が苦しくなるんだよ。
きっとミツはなんとなく気付いてる。俺がミツと目を合わせられない理由も、このグチャグチャの感情も。
海岸沿いの階段を下りて、砂浜の上を歩く。
さらさらの砂に足を取られて歩きにくそうにしながら、一歩、また一歩、ミツが波打ち際に近づいていく。
「…濡れるよ」
『大丈夫！ギリギリ攻めてっから！』
楽しげに笑ったミツが、寄せてくる波の本当にギリギリのところで立ち止まって大きく息を吸う。
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つーちゃん(プロフ) - ２日間で一気に読み進んだお話。想像のつかない展開にドキドキハラハラ心拍数が上がりっぱなしです。これから真意に迫って行くところですね。７人とって善き解決に向かっていきますよう楽しみにしております。 (2022年7月9日 21時) (
レス) id: 51a599cbd1 (このIDを非表示/違反報告)
なぁまま(プロフ) - 面白すぎて、あっという間にここまで来ました。続きが楽しみです。 (2020年10月29日 14時) (レス) id: abc3e4578f (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 1番好きな 作品です。更新を楽しみにしています。 (2020年6月3日 17時) (レス) id: 61ecb5f320 (このIDを非表示/違反報告)
えみ - 更新楽しみにまってます！ (2020年5月9日 1時) (レス) id: 168f28a7c6 (このIDを非表示/違反報告)
みつみつべー(プロフ) - 続き気になります！！読みたいです！！頑張ってください (2020年5月7日 22時) (レス) id: d4a37c70fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mini7
| 作成日時：2019年2月22日 1時
