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F ページ27




扉から一歩足を外に出した時点で、自分は判断を間違ったのかもしれないと思った。


二歩三歩と進めるうちに、それは揺るぎない確信へと変わっていった。





辺りは薄暗く、街灯に照らされた雪の粒だけがもの凄いスピードで目の前を通り過ぎて、数メートル先の視界すら覆い隠していく。

普段診療所までは歩いても15分程度だけれど、こんなとんでもない天気の中を行くとなると、一体どれくらいかかるんだろう。


引き返すべきかと振り返ると不安気に見上げる瞳と視線がかち合って、後戻りは出来ないんだと覚悟を決めた。






_“送る” なんて、

なんであんなことを言ったのか自分でもわからなかった。

あの時、玉からの問いかけにグッと強く唇を噛む北山を見て、気付いた時にはもう勝手に言葉だけが飛び出していた。




北山が困っていたから?

無理に話させるのが可哀想だった?



でも、玉だって北山をただ困らせたかったわけじゃない。

ああやって問い詰めたのは、心配だからこそ。




じゃあ、俺は…?





普段は出来る限り接触しないようにと避けているくせに、玉の不安もみんなの気持ちも置き去りにして、偽善者ぶって…



俺は一体、何がしたいんだろう。






『……悪かったな。付き合わせて』




強風の中かけられた言葉は、風の音に紛れて消えてしまいそうな声だった。




「いや、別に…」




そこまで言って、続く言葉を俺は知らない。


“気にするなよ!” とか、“雪道歩くの意外と嫌いじゃないんだぜ!” とか、気の利いた言葉はきっと色々あるはずなのに、結局俺は何にも言えなくてただひたすらに前へ進むだけ。

向かい風に乗った氷の粒が頬に当たってジンジンと痛かった。






10分程歩くと、カッパを着てるとは言え髪も靴もほとんどびしょ濡れになった。

斜め後ろから2人分の足音に紛れて、クシュンッ!小さなくしゃみが聞こえる。


さりげなく一歩横にずれて北山の真正面へ。


こんな俺でも、風避けぐらいにはなれるだろうか。






『おー!藤ヶ谷ガード強ぇ!』





真後ろから、のんきに喜ぶ声が聞こえる。

極寒の中、背中だけがやけに熱い。



こんなこと言ったら怒られそうだけど、
この時ばかりは北山が俺より小さくてよかった、と思った。



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たいちゃんらぶ(プロフ) - 怯むな!!イケーって思わず言ってしまいました‥( ;∀;)移行後も楽しみにしています♪いつもありがとうございます♪ (2018年5月29日 20時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - うにゃっ(*´ω`)たいぴとみっくんのシーン・・相当気になっていたのでココでFside・・キターってなりました‥ワンコのベンちゃんがホントに優しくって良い子で‥今のたいぴには必要な存在ですね(あ‥ベルがヤキモチ妬いちゃうかもww)先生に問いただすたいぴに (2018年5月29日 20時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)
萩好き(プロフ) - 更新ありがとうございます。また楽しみにしつつ今後の展開も気になります。 (2018年5月29日 18時) (レス) id: ee43c6b79a (このIDを非表示/違反報告)
mini7(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶ様♪コメントありがとうございます(*^^*) 私も千ちゃん語り描くの好きなんです!なんか感情が素直でわかりやすい人だなぁと思うので、ついつい頼りがちです…♪ ただいま続編を絶賛準備中ですので、どうぞ続きもよろしくお願いします♪♪ (2018年5月29日 18時) (レス) id: c0e211fc37 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - てなる千ちゃんはやっぱり可愛いし♪そしてニュースに流れたみっくんの名前についビクっとなってしまいます( ;∀;)真崎君がとった行動にはどんな真意があり何をもたらすのか…もぅ毎回目が離せません。宮玉に救いをっていうmini7サンの言葉にウンウンって頷きましたー (2018年5月28日 21時) (レス) id: eaab40e8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini7 | 作成日時:2017年10月14日 0時

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