いつも通り３ ページ25
リリー side
「なあ、Aは？」
「Aなら、山田と出ましたよ」
「あ、そうなんや」
「何か用でした？」
「いや、大丈夫、ありがとな」
明日泊まりで東京やから、
お土産何がいいか聞こうと思ったんやけどな。
いないなら仕方ない、とソファに腰かける。
ふと顔をあげると、衣装を着た稲田さんが
キョロキョロしながら楽屋を見渡してんのが見えた。
「あ、リリー、ええとこに」
「どうしたんすか？」
「河井さん、知らん？
もうすぐ出番やのに、珍しく見当たらんねん…」
「ゆず兄？」
そういえば、今日、ゆず兄に会ってない。
ゆず兄はいっつも、早くから袖の鏡んとこで
衣装とか髪とかをバッチリ整えてから出て行くから、
たしかにおらんのは珍しい。
「そういや、今日見てないな…」
「えー、もうどこおんねん〜」
電話も出らんし…と呟いて
困った表情で他の後輩にも聞いてまわる稲田さん。
自分も電話をしてみようと思いスマホを取り出すと、
そのへんにいた後輩らの声が耳に入ってきた。
「ゆずるさん探すなら、A探したほうが早いんちゃう？」
「Aなら、山田とどっか行ってたで」
「そうなん？じゃあ、一緒やないか」
「前はあんなにゆずるさんにべったりやったのになー」
「ほんまの兄妹みたいやったしな」
「まあ、今は山田といい感じみたいやし？」
悪気はない、そうわかっていても、
後輩たちがテキトーに喋る内容に、思わず眉間に皺が寄る。
今の状況でそんな噂、誰が流してんのやろ。
まあ、その“今の状況”ってやつを知ってんのは、
ここには俺しかおらんのやろうけど。
「あー！！河井さん！」
「うるさ、なんやねん」
「探したんですよ〜」
「大袈裟やなあ、まだ時間あるて」
「いやいや、いつもより絶対遅いですやん」
どこからともなく楽屋に入ってきたゆず兄は
ネクタイを締めながら舞台袖に向かう。
その後ろを、ぶつぶつと文句を言いながらついて行く稲田さん。
そう言えば、Aは今日、ゆず兄に会ったんかな。
あいつのことやから、また無理して
何事もなかったかのように振舞うんやろうけど。
.
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そらきち(プロフ) - のさん» ありがとうございます😭そう言っていただけてほんとに嬉しいです…！励みになります！なかなか更新できずにいますが、お話はしっかりできてますので、お待ちください😊 (2022年10月1日 13時) (
レス) id: 729794252e (このIDを非表示/違反報告)
の(プロフ) - これからも楽しみに待っています！気長に更新頑張ってください！！ (2022年9月21日 21時) (レス) id: fbe940271f (このIDを非表示/違反報告)
そらきち(プロフ) - exさん» はじめまして〜温かいコメントありがとうございます(*^^*)嬉しいです…！！今はシリアスな感じですが、もっどかしい二人がどうなるのか…ぜひ見守ってくださいな^^ (2022年4月21日 22時) (レス) id: 3760b31582 (このIDを非表示/違反報告)
ex(プロフ) - 楽しみに読ませてもらってます！きゅんきゅんしてます🤤でもいまは少し苦しくなる話だけどいつかゆず兄と主人公ちゃんが幸せになるのを願ってます😭💓更新頑張ってください！楽しみにしてます！！❤️❤️❤️ (2022年4月20日 16時) (レス) @page6 id: 905bf9a542 (このIDを非表示/違反報告)
そらきち(プロフ) - おきゅらさん» はじめまして！なんと、、、一気読みありがとうございます…！そのお言葉に私も嬉しくて涙溢れそうです😭✨これからもよろしくおねがいします！ (2022年4月16日 18時) (レス) id: 729794252e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そらきち | 作成日時：2021年2月18日 22時
