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素直 ページ47

土「Aサン?」


「どうしました?」


土「左手」




土方さんに言われ、自分の左手を見てみれば…。

ぎゅうぎゅうと彼の右手を握っていた。

慌てて離して土方さんの手を見ると力を入れすぎたせいで真っ赤になってらっしゃる。



「ごめんなさい!昨日心配でずっと握りっぱなしで!鬱血とかしてませんか?!どうしよう!握るの強すぎましたよね?!」



めちゃくちゃ焦ってる私が可笑しいのか、ぷはっと吹き出してる。




土「なんか、悪かなかった」


「なら…良かったです」


土「しばらくはこのままがいい。…かも」


「…はい」




もう一度左手を取られてぎゅっと握られる。

今までにもスキンシップはあったけどこういう感じは初めてで、なんか、どぎまぎする。

手が大きくて、骨張ってて、皮膚が固くて、男の人って感じだ。



土「A。昨日泣いたろ」



そんな優しい声で言わないで欲しい。

目が覚めて良かったって、今すぐに泣きそうなのを我慢してるのに。
笑顔でおはようを言う為に泣くのは昨日の夜で最後って決めたのに。




土「A」


「はい」


土「不安だったなら言え」




ゆっくりと上体を起こした土方さんは顔を覗き込んでくる。

そんな優しい目で見ないで欲しい。



「まぁそりゃ不安でしたけど自己解決できました!
もう大丈夫です!もう元気出ました!」



外方(そっぽ)を向いて早口で答える。

気を緩ましたら泣きそうだから。



土「…俺ァAが無理して笑ってるより素のままで泣いてる方が良い」



頬に優しい手を添えられて、土方さんの方を向かされる。



土「聞かせてくれるか?」



そんなこと言われちゃもう逃げられないよ。



「怖かったです。大切な人が出来たのは母が亡くなって以来だから…なのにまた失うことになると思って。失ったらどうしようって…不安でした」



ぼろぼろと頬を伝う水分を拭き取る彼の手は何処までも優しくて、暖かい。

その暖かさが、土方さんは生きてるんだって証明になって
安心から余計に泣いてしまう。




土「意識飛ぶ直前によ、Aが頭に浮かんだ」


「なんですかそれ。嬉しすぎて走り出しそうです」


土「病院だからそれは辞めようね」




本心なのに呆れ声で静止されちゃった。
でも呆れてるけど、どことなく嬉しそうに見えるのは思い上がりだろうか

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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時

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