心配 ページ46
攘a「クソッ!お前らよくも!」
土「刀を捨てろとは言われたが、銃を捨てろとは言われてねェぜ」
相手の動揺に乗じて餓鬼を保護する。
周りでは再び斬り合いが始まっていた。
土「大丈夫か」
女「グズッ…だい、じょぶ…」
土「安心しな。お前のことは真選組が守ってやらァ。名前は」
女「蛍…」
土「蛍。お前を外に逃がす時間はねェ。俺の背中に引っ付いてろ」
敵は残り250人程か。
味方も減った。子供を守りながらの闘いは不利だが…やるしかねェ。
蛍を背中に隠し兎に角目の前の敵を斬っていると、
蛍「きゃっ!」
土「蛍!」
俺の背中に引っ付いてたが足を絡ませて転んでしまったようだ。
腕を引き、立ち上がろうとしたその時…殺気を感じた。
考える前に動いてた。未だ地面に尻もちを付く蛍を庇う為に敵に背中を見せた。
土「グッ…クソ…」
蛍「おにいちゃん!」
攘「よっしゃ!鬼の副長仕留めたぜ!」
背中にびりびりと痛みが走る。
副長!なんて呼ばれる声、喜んでいたはずの敵の断末魔、俺を呼ぶ蛍の声。
『無事に帰ってきて下さいね』
不安そうに、でも真っ直ぐに。
力強くそう言ったAの顔が思い浮かんだ。
嗚呼、彼奴と約束したのにな。
▽
カーテン越しなのに朝日が眩しい。
土「……生きてんのか」
見上げれば白い天井、薬品の匂い、身体中の痛み。
ここは病院だと察するのは容易い。
「…土方さん?」
真ん丸な目でこちらを見るA。
土「おはよ」
「おはようございます」
ニコニコと笑顔でそう言ってるけど目は腫れてやがるし、赤い。
泣いたんか。
土「心配かけたな」
「本当、びっくりしちゃいましたよ」
疲れ切った様子なのは寝てないからなのか。
目の下、クマが酷い。
「調子どうですか?」
土「久しぶりにこんな寝たからすこぶる良い」
「大怪我負ってそんなこと言えるの土方さんくらいですよ」
けたけたと笑うけどやはりいつもの様に元気は無い。
それは単なる寝不足なんかじゃなくて…
心に不安を抱えているような気がしてたまらなかった。
しかしその前に気になることがある。
・・・現在進行形で俺の右手に起こっている違和感だ。
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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時