検索窓
今日:10 hit、昨日:70 hit、合計:59,703 hit

安心 ページ21

# Side T



あんな綺麗な目で、真っ直ぐな目で礼を言われて

どう反応していいか分からなくなって逃げたなんて情けねェことは死んでも言えねェ。


屋敷に閉じ込められろくに外に出たことがないと言ってたからか、かぶき町を楽しそうに、不思議そうに歩いているAを見るはなかなか面白い。



「土方さんは王子様ですね」



なんて平気な顔して言っちまう此奴は本当に危なっかしい奴だ。

誰にでも愛想が良くて屯所内でも既に野郎共から執拗に絡まれてやがる。
それでも笑顔で楽しそうに受け答えするAは性根からの人垂らしなんだろう。


隣を見れば何がおかしいのかへらへらと笑っている。



土「何笑ってやがる」



そう聞けば、



「お優しいんですね」



なんて言って笑った。

やはり此奴はかなりの人垂らしだ。





土「どこ見て言ってんだか。男見る目ねェと女は苦労すっぞ」


「じゃあ私は苦労しないで済みそうですね」


土「阿呆か。小娘が」




軽く拳骨を落として歩き出せば面白そうに笑いながら着いてくる。




土「屯所で野郎共に絡まれたらちゃんと突き放すんだぞ」


「難しいですね。なんて言えばいいですか?」


土「私一生懸命仕事する人が好きなんです♡サボる人大嫌いなんです♡とか言っとけ。そうすりゃ野郎共も少しは真面目に仕事してくれるかもしれねェしな」


「分かりました。それで皆さんのサボり癖良くなったらいいんですけどね」




けたけたと楽しそうに笑うAを見ていると安心するのは何故だろうか。

此奴ァ今まで継母にいびられ、兄弟達には当たられ、苦労したんだろう。

Aには幸せになって欲しいと思っちまうのはただの同情なのか、似た境遇だからなのか。

分かりゃしねェが、Aが幸せだと思える居場所を見つけて欲しいと思っているのは確かだ。

その為の手助けをしてェ、なんて気持ちから柄にもねェことやってる自分に戸惑う始末。

そんなことを考えていると袖を引っ張られる。




土「なんだ?」


「あの着物屋さん入っていいですか?」


土「おう。」



やったと小さく笑い着物屋へと小走りで向かうAの背中について行きながら、やり慣れねェお節介に呆れ笑いを零すのだった。

記憶→←満足



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
236人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。