満足 ページ20
「や、ごめんなさい！あの、拾ってくれた人って意味でして、あの、他意はありません！」
しどろもどろになりながら顔の前でぶんぶんと手を振っていると土方さんは笑いを零した。
土「こりゃまた随分と大胆な女だな。まぁ自分から刑務所に入…」
「ちょ！土方さんそれもう辞めてください！」
今絶対に刑務所イジリしようとしたよこの人。
紅くなった顔を両手で覆い隠す。
指の隙間から土方さんの顔を見れば楽しそうに笑っていて、こちらにまで移る。
ケラケラと2人で笑っていると、注文していたものが届いた。
土方さんに目をやると、珈琲しか頼んでいない。
「俺が腹減ったんだ。」なんて言ってたくせに。
私に気を使わせないためだったのかな。
「土方さん、お腹空いてたんじゃないですか？」
土「…黙って食え」
にやにやしながら聞くと彼は決まり悪そうにマヨネーズだらけの珈琲に口をつけた。
何か話題を作る為か、それで？と土方さんはこちらを向いた。
土「家追い出された後はどうやって生きてたんだ？」
「ご飯は諦めてましたね。水道の水飲んで、銭湯で1時間働く代わりにタダでお風呂入らせてもらって、駅前のベンチで寝てって感じです」
土「大変だったんだな」
「でも色々教えてくれたおじさんがいたんです。
グラサンかけた人で、プロのホームレスみたいでした」
土「いやプロのホームレスって何？」
「略してプロレスですね、プロレスラーです」
土「そんな格好良いもんじゃねェだろ」
土方さんのツッコミにまた笑えてくる。
パフェは美味しいし、土方さんと話すのは楽しいし、良い時間だ。
財布を持ってないから必然的にそうなるんだけど、
土方さんは黙って私のご飯代まで出してくれた。
「ご馳走様でした」
土「おう。初パフェどうだった」
「とっても美味しかったです！」
土「そうか。そりゃ良かった」
店を出て歩き出すとまた新しい煙草に火をつけている。
私が左側に歩いている時は右に、右側に歩いている時は左に紫煙を吐く土方さん。
さり気ないけど何処までも優しさを感じる。
そんなことを考えていたら頬が緩んでいたようで。
土「何笑ってやがる。」
なんて言っておでこをつつかれてしまった。
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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます！！嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー！応援ありがとうございます！！！ (6月4日 21時) (
レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です！土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氏兎 | 作成日時：2023年4月9日 23時
