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親切 ページ18

土「あのね、ああいうの言われた時はもっと突き放すべきです」


「はぁ、そうなんですね」


土「ったく。目離せねェガキだな」


「もうガキじゃありませんよ。立派な20歳です」


土「立派な20歳は宿に困って刑務所入ろうとしねェよ」


「ま、またそれですか…その話題になれば反論できないの分かって言ってます?」


土「ったりめェだろ。言えるうちに散々言ってやらねェとな」



なんて、悪戯気に笑っている。



「いじわるですね」



そう返せば返事なく振り向き、彼は歩き出していた。

軽く上げられた彼の右手を見て笑いが零れた。








洗濯、掃除、買い出し、基本的なことをして急かせかと働いていたらもう午後三時。


たすき掛けを外し、副長室へ向かうと縁側に座り煙草を吹かす土方さんの姿が目に入る。




「土方さん。終わりました」


土「お疲れさん。じゃあ行くか」




はいっ。と返事をすれば彼は大股で歩き出した。

2人でパトカーに乗りかぶき町へと向かう。




「移動でパトカーってさすが警察ですね」


土「街の見廻りも兼ねてるからな。
パトカーが走ってるだけで犯罪の抑止力になる」




土方さんは相変わらず紫煙を吐く。
窓を開けているとは言え、少し煙たい。

思わず咳き込んでしまうと、察してくれたのか土方さんは煙草を灰皿へと擦り付けた。




「あっすみません。吸って頂いても大丈夫ですよ」


土「別にお前ェの為じゃねェよ。もう吸い終わったからだ」




相変わらず仏頂面で言ってるけど、消火した煙草はまだまだ長い。

言葉はちょっと怖いくせに、行動は優しい。不思議な人。

そんなことを考えながら運転する彼の横顔を見ていると、土方さんがこちらを向き目が合う。




土「で、初仕事どうだった?」


「内容は家にいた頃とあんまり変わりませんね。
家事や屋敷の手入れ、やることが沢山あって大変です。
でも、叩かれないし罵倒もされないし、皆さん優しくて自由もあって…何かすればお礼も言ってもらえて楽しいです」


土「そうか。なら良かったよ」


「土方さんのおかげです。本当にありがと…」


土「もう着いたぞ」




お礼を言おうとしたのに遮られてしまう。

先に車を降りて歩き出した土方さんの横に並び、
「ありがとうございます!」と大きな声で伝えても無視される。

不服だ。

ありがとうございますありがとうございますと鬱陶しいくらいに大声で言い続けていると、思いっきり頬を掴まれた。

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氏兎(プロフ) - ユイさん» コメントありがとうございます!!嬉しすぎます😭💗土方さんの思いはPart2で深堀しようかなと思ってます😏楽しんで頂けるように引き続き頑張りますー!応援ありがとうございます!!! (6月4日 21時) (レス) id: 7d17cb3f22 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 初コメ失礼しまあっす!!!!コメントは残してなかったんですけど、結構前から見させていただいてました‼いい展開になってきて最高です!土方さんの思いが気になるなあ、、。応援してます!!!これからも更新頑張ってください‼ (6月3日 16時) (レス) @page43 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氏兎 | 作成日時:2023年4月9日 23時

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