一石二七鳥 ページ28
# Side G
初めて会った時から距離というか壁を感じていた。
人見知りなんだろうな、とか気にも止めてなかったが、どうやらそうでもなかったらしい。
13日間、毎日会ってりゃある程度仲は良くなったのにいつまで経っても壁は感じた。
横を歩く時は必ず一定の距離を保っていた。
肩と肩が触れ合うことなんて一切無いように。
原付に乗る時は服だけをしっかり掴んでいた。
急ブレーキのはずみで身体に触れることが一切無いように。
酒を提供する時に出した手を引っ込めるのは早かった。
手と手がぶつかることが一切無いように。
接客してる時に男に触られた瞬間に顔を歪めたAを見て、此奴は男に触られるのが苦手なんだろうなと、気づいてはいた。
ストーカーに付けられてんだ。
男に不信感を抱いたり、嫌いになるのも無理はねぇが、
その'男'の中に自分も含まれていたのが虚しくなった。
毎日会ってくだらねぇ話をして、この間シラフで初めて爆笑する姿を見てようやく心を許してくれたのか?他の男よりかは近ぇ所にいんじゃねぇか?なんて思ってたが、そんなことはなかったらしい。
どうやら俺も、大勢いる男の中の1人でしかなかったんだって。
Aに拒まれて、何でこんなに落ち込んじまうのか、自分でも分からなかった。
『30万円のためだ。』
なんて、いつもよりキツく言ってしまう。
悲しげに去っていくAの姿を見て、すぐに後悔すんのに。なんでこんなことを言っちまったのか。
胸はズキズキ痛むし、溜め息は止まんねぇし、ほんっと、
銀「最っ悪だァ。」
そう呟いて転がっている石ころを蹴飛ばした。
彼奴に怖ェ思いさせちまった事にも、
俺が依然恐怖の対象である事にも、
言葉に出来ない程の虚しさがあった。
やけ酒を飲むためにぐちり屋へと入る。
今はどうしようもなく酔っ払いたい気分だった。
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氏兎(プロフ) - まゆゆんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(TT)頑張りますー!! (2022年9月24日 1時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!!頑張ります(^-^) (2022年9月24日 1時) (レス) @page32 id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話大好きです!!!!!!更新頑張ってください!応援しています🥰 (2022年9月20日 18時) (レス) @page31 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 面白い!!更新頑張って下さいね!!!!!!! (2022年9月19日 20時) (レス) @page31 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!もっと楽しんで貰えるように更新頑張ります(^-^) (2022年9月10日 17時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氏兎 | 作成日時:2022年7月25日 0時