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一石三十四鳥 ページ35

他愛もない話をしてたらもう我が家。
銀さんといると時間が経つのが早くていけない。



銀「もう1人で出歩かねェこと。
何かあったらすぐ電話すること。いいな?」

「わかったよ。
ほんとありがとね。」

銀「おう。じゃな。」



その言葉と共に手の温もりは消えてしまった。
それがどうしても心細くて、恐怖を思い出してしまう。

いつも通り、私が部屋に入って鍵を閉めるまで待ってくれてるんだけど…。



「…、」

銀「どうした?」



扉の隙間から銀さんを覗いてる私を不思議そうに見ている。




「いや、あの…」

銀「1人でいるの、怖ぇか?」

「…うん。」

銀「どうすっかぁ。どっか呑みに行くか?」



首を横に振ると困ったように頭をかいている。


呑みたいという気分でもない。
面倒臭い女である事は自覚しているけど、今は彼に傍に居てほしい。


ぐっと唾を飲み込んで銀さんの袖を引っ張った。
扉を広く開けて、そのまま玄関へと引きずり込む。



銀「うぉっ。」

「30万円、雇い主命令。今日は私の隣にいて。」



いきなりのことで驚いてる銀さんなんてお構い無しだ。

彼の胸板に額を付けて紅くなってる顔を見られないようにするのが、今の私の精一杯だった。



銀「はいよ。承った。」



そういうと銀さんは私の頭に置いた手をぽんぽんと動かした。



「あっ、変なことはしないでよ。」

銀「俺を誰だと思ってんだ。そこら辺の男と一緒にすんな。」

「私に手出したら30万円パーだしね。」

銀「傷心してる女に付け入るほど腐っちゃいねぇよ。」



正々堂々と正面から行かなきゃ面白くねぇだろ。なんて面白そうに話してる。

そんな銀さんを見て自然と笑みが零れてくるのが分かる。



「ごめんね。散らかってるけど。」

銀「ウチより断然キレーだわ。」

「こっち座っていーよ。」



先にソファに腰かけて、空いている隣をとんとんと叩けば
よっこらせ、なんて言って彼も腰掛けた。

自分から家に上げたくせに緊張して何をどうすればいいか分からなくて戸惑い、俯いてしまう。



銀「なーに緊張してんの。」

「別に。してないし。」

銀「嘘こけ。」



小さく笑ったかと思うと、肩を抱かれてぐいっと引き寄せられた。

驚いて見上げればすぐ近くに整った顔がある。



銀「今日は隣にいて欲しいんだろ?」



余裕ある笑みでこちらを見下ろして。

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氏兎(プロフ) - まゆゆんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(TT)頑張りますー!! (2022年9月24日 1時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!!頑張ります(^-^) (2022年9月24日 1時) (レス) @page32 id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話大好きです!!!!!!更新頑張ってください!応援しています🥰 (2022年9月20日 18時) (レス) @page31 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 面白い!!更新頑張って下さいね!!!!!!! (2022年9月19日 20時) (レス) @page31 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!もっと楽しんで貰えるように更新頑張ります(^-^) (2022年9月10日 17時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氏兎 | 作成日時:2022年7月25日 0時

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