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一石三十二鳥 ページ33

申し訳なさから俯く私の頬に軽く手を添えて、視線が合うように顔を持ち上げられる。



銀「それに今はこうやってAに触れられてんだ。
これだけで充分だよ。」



そう言って銀さんは嬉しそうに、私の頬に添えてある手の親指をスリスリと動かして優しく頬を撫でてくる。

少し前までは嫌で嫌で仕方無かった"男性の手"なのに、今は心地よくて仕方なくてもっと触れて欲しい、なんて欲が出てくる。

顔がほころんでしまうのは、その手が余りにも暖かくて心地いいから仕方の無いことだ。




銀「そういう顔は他の男の前でしちゃァいけませんよ。」

「ソクバッキー彼氏か。」

銀「まぁ、一応彼氏なんで?」

「(仮)でしょ。」



仮でも束縛する権利くらいあります〜!なんて言い出すから笑えてきちゃった。



「行こっか。」



銀さんの左袖を引っ張り、歩きだそうとするが彼は動き出さない。

どうしたの?と振り返ると何やら納得のいかない顔をしていた。



銀「なぁコイツ警察に突き出さなくてもいいのか?
立派な犯罪じゃねぇか。」

「依頼した時にも言ったでしょ?
捕まったとしても出てこられたらまた復讐されて意味が無いし…
私達で息の根止める必要があるから通報しない。」



…警察での事情聴取やらも書類への記入やら、もう面倒くさくて嫌だ…なんてチンケな理由は言わないでおこう。



銀「息の根止めるって…随分と物騒な物言いだな。」

「実際息の根止めたくて仕方ないもん。しゃあない。」



転がる松田を睨みつける。憎たらしい野郎。

イライラが募ることばかり考えていると、突然目の前に銀さんの顔がドアップで現れる。

私が驚くよりも前に、彼は楽しそうに言葉を発した。



銀「それなら、俺達で罰でも下してやっか。」

「罰?なにやるの?」

銀「まぁ、任せとけって。」



ニヤリと笑った銀さんの顔は、いたずらっ子なんて可愛いものじゃなくて…恐ろしい鬼のような顔だった。



銀「Aちょっとだけ離れてろ。」

「2メートルくらいでいい?」

銀「俺が視界から消えるくらいで。」



鶴の恩返しかい。

何するつもりだろう。まぁ、任せるか。



「程々にね。」

銀「おー。」



あの銀さんの恐ろしい笑顔を見た後じゃ良からぬことを企んでるっていうのは容易に想像が着く。

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氏兎(プロフ) - まゆゆんさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです(TT)頑張りますー!! (2022年9月24日 1時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!!頑張ります(^-^) (2022年9月24日 1時) (レス) @page32 id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)
まゆゆん - このお話大好きです!!!!!!更新頑張ってください!応援しています🥰 (2022年9月20日 18時) (レス) @page31 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
さち - 面白い!!更新頑張って下さいね!!!!!!! (2022年9月19日 20時) (レス) @page31 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
氏兎(プロフ) - 夢子さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!もっと楽しんで貰えるように更新頑張ります(^-^) (2022年9月10日 17時) (レス) id: 6006d7194f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氏兎 | 作成日時:2022年7月25日 0時

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