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「ほら来たよ、」
光忠が鞘から刀を抜き言う。
朱里はキョロキョロと周りを見渡し、何かを探していた。
「ま、政宗様…！」
「朱里？！何故ここに？！」
「よかった…。」
「何故ここにと聞いている。」
「っあ…。」
朱里の声が小さくなる。
『聞こえない…』
「この距離だからねしょうがないよ。」
「おい。」
「倶利伽羅。どうしたの？」
「姫鶴。帰るぞ。今なら戻れる。」
『え？でも。』
「今帰らないと戻れなくなる。
あとは朱里に折られて終わりだ。
光忠はそれを望んでいるんだろ？」
『なんで…？』
「僕の世界が寂しい所なんだ。
だからね、大好きな姫鶴が来てくれたらなって。
だめ？」
「身勝手だな。」
「しょうがないでしょ。
寂しいものは寂しいもん。」
倶利伽羅が抜刀し、光忠に向ける。
「そんな身勝手な理由で姫鶴を折らせて、自分の世界に引きずりこんで、
お前が俺たちの世界に来て、姫鶴だけ置いて。
それでいいのか？」
「ッ…」
「そうやって何も考えないとこは何も変わらないな。
帰るぞ。」
そう言い私の手を握る倶利伽羅。
すると私の体が透けていく。
「またな。光忠。必ず助けにくるから。」
「あぁ。待ってるよ。」
『みつっ…ぅ…』
光忠は私の顔を見て最後笑っていた。
『なぁ？！』
隣に倶利伽羅が眠っていた。
｢おはようございます。姫。
三日ぶりの起床はどうですか？｣
と、一期に問われる。
どうやら私はまる三日寝ていたようだ。
『……………』
道理で体が痛いわけだ。
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作者名：日丸-nitimaru- | 作成日時：2015年9月9日 1時
