【番外編】弟が見てて思い付いた ページ6
そう言われて私は自分の自分の格好を見下ろしてみる。
体型が隠れるような黒いプルオーバーパーカーに、ダメージジーンズ、そしてくたびれたスニーカーにつばの大きい黒キャップ。
……今更ながら…めっちゃ不審者だな、私。
それに、性別も分かりづらいだろう。
ただでさえ肉つきが悪くて胸も慎ましい所為で普段着でも男に間違えられやすいのだ。
こんな格好してたら性別が男だって思われても仕方ない。
目暮「軍のようなものに所属していると言っていたし…男ではないのかね？」
安室「ですが、十八の男の子にしては少し、声が高く背も小さい気がして…」
……なんだコイツら…！
失礼な奴らだな、おい！！
別に軍に所属してる女でもいいだろ！！
今の時代、自衛官にだって女はいるぞ！？
そんな思いでじっとりと2人を睨め付けながら、女ですけど…と小さな声を出す。
なんかもう、喋るのも嫌になってきた。
安室「やっぱり…では、後ろの方々とはどう言ったご関係で？」
A「なんでもいいでしょ、そんなん……仲間で家族で良き隣人で同居人…文句は？」
安室「ありませんよ。ですが、そうなると…ご両親は心配なさっているんじゃないですか？
十八とはいえ、まだ未成年の我が子がたくさんの男と一緒にいるだなんて…僕だったら心配で仕方ありませんよ」
突然、デリケートな部分に土足で踏み入って来た目の前の男の質問に、ヒクリと頬が動く。
家庭の事情なんぞ人それぞれ。
暴かれたくないことだって嫌というほどあるだろうことは承知のはずだが？
一言文句つけてやろうとしてふわりと耳を塞がれる。
そしてその手の暖かさに、緊張していたらしい体が緩む。
そりゃあ、この状況で唯一無二の相棒にこうしてもらって安堵もするだろう。
焔「悪いが、コイツの両親はコイツがガキん頃に死んでんだ。
あんまり深入りしねぇでくれ」
いつも人に化ける時は執事…とまで行かずともそれなりに礼儀正しい焔は、今回ばかりはいつもの気だるいヤンキースタイル。
ふんわりと耳を塞ぐその手の向こうから聞こえる焔の声に耳を傾けながら、ぼんやりと「最近、執事モード見ないなぁ」なんて。
あっちは距離を感じるからこっちの方が私は大好きなんだけどね。
安室「…貴方は？」
焔「
コイツの両親に昔世話になってな。
まあ、保護者兼、兄貴みてぇなもんだ」
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