【番外編】弟が見てて思い付いた ページ11
顔を真っ赤にする細身のガキを他所に、次のガキを指名する。
マガトキに聞いたことをそのまま復唱するも、ちょっとどーでも良すぎるので省略。
すまんな、少女よ。
マガトキ「ねーねー、アサヒ。
あの三人ねー、なんか変だよー？
じん？と、うおっか？とか、べるもっど？とか、ソシキ？とか、変なじょーほーばっか。
イマイチよく分かんなかったのー」
A「ほぉーん」
ジン？ウォッカ？ベルモット？酒の名前か？
なんだってそんな……。
酒嫌いが秘密って訳でもないだろうし…。
まあ、良いそれっぽくぼかして言っておくとしよう。
マガトキが指差したメガネのガキ、可愛げのないガキ、そして私立探偵を順に指差してにっこり笑ってみせる。
A「あんたら、酒は嫌いか？」
その瞬間、ピリッとした空気が肌を刺す。
随分、触れて欲しくない話題だったらしい。
ま、そっちも嫌な話題を振って来たんだし、お相子ってことで。
「……何のことでしょう？」
A「…いや、どうもすまないね。
私は『バケモノ』だそうでね。
人のいやーな秘密もバラしてしまいそうになるんだよ。
ま、探偵みたいにじわじわと追い詰める真似はしない分、大目に見てくれよ」
貼り付けた笑顔でこっちを見る私立探偵に肩を竦めた見せ、そのまま立ち上がってガキどもを見下ろす。
A「これが私が探偵を好きになれない理由だよ。
人の秘密を暴き立てては声高々に吹聴する……その様が嫌いなんだよ。
納得してくれたかい？」
いやそーな顔でこっちを見る複数の目に軽く肩を竦めたそのまま焔たちの方へ戻る。
……立って分かったけど、マガトキ重い！
え？これ、片方の肩に乗っけるの辛いよ！？
肩凝るわ、絶対！！
村正「嫌なヤツだナ、お前」
A「何を今更。私が嫌な奴なのは前々からでしょ？
じゃなかったら、あそこまで政府に嫌われてないだろうし」
不動「あ、主は主のままでいいと思う！！
俺、今の主が好きだから……！」
A「やだ何この天使…可愛すぎかよ。
私もお前ら大好きだぞ！」
慌てたようにフォローしてくれる不動の頭を両手で撫でる。
もー、ホント可愛いヤバくない？
ウチの子、可愛すぎない？
可愛すぎて誘拐されない？
心配だわー。帰りたいわー。帰ってみんなのこと愛でたいわー。
ってことで帰っちゃダメですかね？
ダメ？あ、さいでっか。
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