【番外編】弟が見てて思い付いた ページ10
「シュリンプフォード?
なんだよ、それ?」
「バーロー。
シュリンプじゃなくてシェリング。
シャーロック・ホームズの初期ネームだよ。
まあ、結局使われなかったんだけどな」
「探偵として完成された『シャーロック・ホームズ』よりも、未完成のまま何処にも存在しない『シェリング=フォード』の方が好き…探偵が大嫌いって皮肉ね」
太ったガキの誤りにメガネのガキが訂正を入れ、可愛げのかけらもないガキがせせら笑う。
この二人、ガキとは思えねえな。
随分とまあ、大人びたもんだな。
最近のガキってこんなんなの?
いや、他の三人が基準でオーケー?
世間知らずには判断が困難ですな。
A「正しく理解してくれて嬉しいよ。
…納得いかないって表情だねぇ。
なら、うん…そうだな……まずはキミ」
「お、おれか?」
私が指差したのは、太ったガキ。
驚いたように自分を指差すそいつにニンマリ笑って私はチラッと横を見る。
そこにはじっとこっちを見るマガトキ。
実はマガトキ、(本人は)こっそり私たちの後をついて来ていたのだ。
そしてあの子はぽやぽやしているように見えて実は聡い。
でなけりゃ、神使なんぞ勤められなかったはずだから、当然といやぁ当然だ。
そんなマガトキは話の流れから察して彼らの側にいた妖たちから既に情報を集めいた。
なに、この子、優秀すぎん?
ぴょんぴょこスキップしながらこっちに来て後ろから抱き着くように乗っかって来た。
マガトキ「ねーねー、アサヒー。
その子ね、この間の『かんじてすと』でぜろ点だったんだってー」
いや、審神者はアサヒじゃないからね?
何度繰り返したか分からない突っ込みを心の中で言ってから、その言葉に笑ってしまう。
バレたくない秘密が、まさかの漢字テストの点数だなんて、さすがは子供だ。
そのまま純真に育ってくれることを願うよ。
A「ふっ……くくく…キミ、この間の漢字テスト、零点を取ったそうじゃないか。
頑張りたまえよ」
「な、なんで知ったんだよ!!」
A「次にキミ」
マガトキ「その子はねー、この間怖いえーが見ちゃって寝れないから、おねーちゃんと一緒に寝たんだってー」
A「うわ、しょーもな!
怖い映画見てお姉さんと一緒に寝たのかい?
優しいお姉さんでよかったね」
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