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クリスマス・ダンスパーティーがあるというので、学校中の生徒が上の空だった。
誰とパートナーになりたいだとか、誰を誘っただとか、そういう話ばかりだ。
ジニーもその中の一人で____三年生は上級生とパートナーを組めばパーティーに参加できるらしい____、偶然出くわしたAを捕まえて、中庭のベンチでAの髪の毛を編みながら延々とその話をしていた。
「ハリーは____」
「無理よ！そんなの、絶対に」
食い入るようにAの言葉を遮るジニーは顔を赤くして編んでいた手を止めた。
「それなら私のパートナーになる？」
「できることならそうしたいわ」
Aの冗談にもジニーは大真面目に返した。本当にダンスパーティーに行きたいようだ。
ちょうどそのとき、ダームストラングの生徒が二人の座るベンチにやってきて、Aの前で膝をついた。
「ヴぉくとダンスパーティーに行きませんか？」
Aは首を振って、「ごめんなさい」とその誘いを断った。彼は肩を落として中庭から出ていった。
「あの人知り合い？」
「まさか」
「ええ！それなのに誘われるなんて凄いじゃない！」
ダンスパーティーの話が出てからAは何度かこのように誘われていたのだ。だが全員知らない人だったので、全て丁寧に断った。
Aが去年のように眼鏡をかけ、二つに結んでいたままだったら、彼らは変わらず誘ったのだろうか。
「ちょっと顔の造りがいいからって、みんなちょろいもんよね」
「私、Aのそういうところ大好き」
ジニーはニヤッと笑った。
するとまた、一人のグリフィンドールの男子生徒が近づいてきて、同級生に囃し立てられながらAをダンスパーティーに誘った。
Aは例に漏れなく彼の誘いを断った。
「こんなところで誘わなくてもいいじゃない。もう悪目立ちするのは嫌よ」
「Aはもういろいろやらかしてるじゃない」
「だから今年こそは大人しくしようと思ってるのよ____それにしても、声をかけてくる人の殆どはグリフィンドール生なのね」
Aを誘ってきた生徒は、ボーバトンとダームストラングの生徒以外、全員グリフィンドール生だった。
ジニーはニッコリ笑って言った。
「試験の日にあなたが見ず知らずのグリフィンドール生を助けてから、あなたを馬鹿にする人なんてグリフィンドールじゃもういないもの！」
Aは驚いた。そしてそれ以上に嬉しくて、口角が上がり続けるのを止められなかった。
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年4月5日 23時
