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マルフォイがハリーの背後を狙って魔法をかけようとしたところを、ムーディが止めたらしい。
ムーディがケナガイタチに杖を向けると、ケナガイタチは何度も床にぶつかって跳ね返り、キーキー鳴いた。
Aはその光景に____ケナガイタチはマルフォイだとわかっていても____思わず目を背けた。
そこにマクゴナガルが急いでやってきて、ムーディの懲罰をやめさせた。
マクゴナガルがイタチに杖を向けると、バシッと大きな音を立ててマルフォイが姿を表した。
マルフォイは憎らしげにムーディを見上げ、Aの視線に気づくと、悔しそうに顔を歪ませた。
そしてムーディはマルフォイの上腕をむんずとつかみ、スネイプの元へ連れて行くために地下牢へと引っ立てていった。
去り際、やはりムーディの"魔法の目"が、Aをしっかり見据えたような気がした。
ロンは「あれを永久に僕の記憶に焼き付けておきたいからさ」と瞑想にふけるかのように目を閉じ、ハリーもハーマイオニーはソレを笑った。
Aは三人と別れて、スリザリンのテーブルについて、ビーフシチューを食べた。
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「スネイプがなんであんなに険悪ムードなのか、わかるよな？」
ロンが言った。
三人の視線の先には、ネビルに付きっきりで教えているハーマイオニーと、それを嘲笑うスネイプがいた。
「ああ、スネイプだ」
スネイプが闇の魔術に対する防衛術の教職につきたがっていることはみんなが知っていた。スネイプは、闇の魔術に対する防衛術の先生のことを散々嫌っていたし、はっきり態度にも表した。
ところがスネイプは、ムーディに対しては、いつもと違い警戒しているように見えた。
どこか怖がっているような印象を受けたのだ。
「フレッドやジョージが、ムーディの授業はクールだって絶賛してたんだ！ああ、はやく木曜日にならないかなあ！」
Aの頭に、フレッドが大人しく席に座ってムーディの授業を受けている様子が浮かんできて、そんなわけがないと心の中で笑った。
そしてAはムーディの魔法の目を思い出した。あのぎょろついた瞳が、Aは苦手だった。
みんなのように、Aは素直にムーディの授業を楽しみにはできなかった。
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年4月5日 23時
