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クィディッチ杯がやっと終わったというのに、もうすぐそこに試験が迫っていた。
テストが近づくと生徒は談話室に引き篭もった。図書館や自習室は常にマダム・ピンスが見張っており、少しの話し声も許さなかったので教え合うのに不向きなのだ。
ハリーもロンもハーマイオニーも、このときばかりは談話室で勉強したがったし、Aも 絶対にそうするべきだ と念を押した。
ロンはAの学力をあてにして「グリフィンドールの談話室にどうにかして忍び込めない？僕達だけじゃあ到底勉強しきれないよ、ハーマイオニーには頼れないし」とギリギリまでAに頼み込んだ。
Aは図書室に行こうと思ったが、通りすがったガランとした自習室でジョージが一人黙々と勉強しているのが見えた。
「ジョージ、クィディッチ優勝おめでとう」
「A、ありがとな。最高の実況だったぜ！」
Aはジョージの向かいに座った。
「どうしてあなたがここで勉強なんかしてるの？フレッドは？」
「
チラリと前を見るとジョージは勉強に飽きたようで、教科書に落書きをしていた。
「フレッドがつけてるブレスレット、Aがあげたんだろ？」
「そうよ。おかげで二人の見分けがついて助かるわ」
「フレッドからそれ聞いたよ____この間、あれを僕が付けてAを騙そうと思って借りようとしたら、あいつ、絶対嫌だねって触ることすらさせてくれなかったぜ」
ジョージはニヤッと笑って、「あいつはかなり気に入ってるぞ」と言った。
「フィルチのやつ、僕の顔見た途端血相変えて追いかけてきやがった、まだ何もしてないってのに____Aじゃないか！」
フレッドが疲れた様子で自習室にやってきて、Aの隣に座った。
「クィディッチ優勝おめでとう。さっさと勉強しなさいよ」
「そうだ、俺達は優勝したんだ、それなのにもう勉強、勉強って……もっと労ってくれてもいいんじゃないか？」
フレッドが頬杖をつく様子は随分と様になるな とAは少し思った。
「なら"元気の出る呪文"をかけてあげる」
Aはフレッドに杖を向け、呪文を唱えた。フレッドは途端に疲れた顔が消え笑顔になった。
「なんだか幸せな気分だ！」
「テストで出そうだから練習しておきたかったの、ちょうどいい練習台で助かった」
ちょうどマダム・ピンスが監督にやってきて、三人は黙って教科書を広げた。
ジョージはそんな二人のやり取りを見て、ふっと笑った。
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年4月5日 23時
