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またしてもAは、昼休みの廊下でジニーと遭遇した。
ちょうどジニーは友達と次の授業に向かう途中で、油断していたようだ。
目がバッチリと合ってしまったし、なんならお互い「あっ」と立ち止まってしまったので、気づかないフリをするわけにもいかずAはぎこちなく笑みを浮かべた。
ところがジニーは、その場にうずくまって堰を切ったように泣きだしてしまった。
ジニーの友達は「大丈夫？」とジニーの背中を擦っていたが、ジニーは嗚咽をあげるばかりだった。
プレゼントをあげたのは失敗だった と、Aはそこから立ち去ろうとしたが、Aの耳にはジニーの必死に声を絞り出した「A、ち、違うの」という声が届いた。
その瞬間、ジニーの友達の制止の声を無視して、Aはジニーの手を引いて廊下を走り出した。
プレゼントなんて回りくどいことしなくても、最初からこうするべきだった。
Aは空き教室の扉を開けて、まだ泣きやまないジニーをそこに連れ込んだ。
入ってから気づいたが、その部屋は以前、フィルチからフレッドと一緒に逃げ込んだ部屋だった。
近くにあった椅子にジニーを座らせ、Aはジニーの正面につま先を立てて正座した。
「ジニー、プレゼントは嫌だった？」
ジニーは首がもげそうな勢いで横に首を振った。
少しずつ呼吸を整え、しばらくしてジニーは俯きながら口を開いた。
「私、あなたがハリーといるところを見るととっても苦しくなるの」
「そのことなんだけど____」
「わかってるわ！ハリーとあなたはお互いそんなこと思ってないって！」
Aは驚いた。てっきり、ジニーはそう勘違いをしているのだと思っていた。
「あなたに会う前から、ハリーからあなたの名前が出るたびに、きっと、ハーマイオニーとは違う、特別な人なんだろうって。漏れ鍋に居たときだって、ハリーは『Aは来てないの？』ってあなたを気にしてた。どうして、あなたは……ス、スリザリンなのに、ハリーの友達だなんて」
Aは黙ってジニーの次の言葉を待った。
「きっと嫌なやつなんだろうって、そうだといいなって思ってたのに、去年一緒に遊んで、そんなことないってわかった。だからすごく不安になるの。これから二人がそうなっちゃったらどうしようって。本当は隠してるだけで酷い人かもしれないって、考えちゃうあたしの方が、嫌なやつだわ。だから、苦しい」
ジニーはポケットに手を入れ、何かを取り出した。
「あなたはこんな私にプレゼントをくれたのに！」
Aはジニーの手とバレッタを握りしめた。
「あのね____」
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年4月5日 23時
