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占い学の授業は、北塔のてっぺんの教室で行われる。
「おかけなさい。あたくしの子どもたちよ。さあ」
大きなメガネをかけ、透き通ったショールを羽織り、ひょろりと痩せたトレローニーの言葉に、生徒はおずおずと椅子に腰を下ろした。
Aは一番隅っこの丸椅子に座った。
トレローニーは二人組を作って紅茶の葉の模様を読むようにと指示をした。
もちろん誰もAとペアを作ろうとはしなかった。
ちょうど、セオドール・ノットとAが余ってしまったので、ノットは嫌々という顔でAとペアを組んだ。
丸テーブルを二人で囲み、お互いのカップに残った葉を眺めた。
Aにはただの紅茶の葉の塊にしか見えなかった。
頬杖をついて教科書とノットのカップを見比べながら、教科書に載っている模様の中からどれが一番近いか考えた。
「これは鍵穴と短刀かしら、右に寄っているから……『いつか望まぬ知らせがやってくる。個人情報の暴露には注意しろ』ってところね。こっちは仮面、あなた、なにか隠し事をしているみたい」
部屋に漂う香料の匂いで、Aの頭はぼーっとしていた。じっくり葉を見ることもなく、直感で葉の模様を言った。
ノットはこめかみをピクリとさせた。
「君のは、十字架、大きな事故が起こるようだ。それからこれは、指ぬき、家族の変化……はっ、君に家族なんてものないじゃないか」
ノットはぶっきらぼうに言った。
「そうね、やっぱり占いなんて不確定なもの、信じないほうがいいわ」
ノットの嫌味にAがあまりにもあっさりしていたので、ノットは顔をしかめた。
ちょうど生徒の机を回っていたトレローニーがやってきて、Aのカップをまじまじと覗きこんだ。
「まぁ！これはグリムですよ！死の予告です！」
トレローニーは足をガクガク震わせて後ずさった。Aは頬杖をついたまま、トレローニーを横目に見た。
「ポッターも死を予言されたらしい」
「じゃあポッターに教えてあげなきゃ、あなたとお揃いよって」
Aは指先をいじりながらつまらなそうに言った。
「君、ポッターと本当に仲がいいんだな」
「まあそうかもしれないわね」
意外だという顔をされるのが、心底不愉快だった。
結局バレているならば、わざわざ周りの目を気にしてハリー達と話すタイミングを伺う必要もないじゃないか。行きのホグワーツ特急も、三人と一緒に乗れば良かった！
こちら側の世界での噂話の広まる速さにはうんざりだ。
トレローニーが授業の終わりを告げた途端、Aはものすごい速さで片付けをして、教室から出ていった。
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yuu(プロフ) - ハリーオチも見てみたいって思ってしまいます🥺 (1月28日 21時) (
レス) @page18 id: 2fc2dde4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - さくらねこさん» コメントありがとうございます！更新を楽しみにしてくださる方がいるとわかって、すごくやる気が湧いてきました！こちらこそ、今後もぜひよろしくお願いします！❤︎ (2023年3月11日 21時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
さくらねこ(プロフ) - 最近は、この作品が投稿されるのが待ち遠しい日々です。更新楽しみにしています！ (2023年3月11日 19時) (レス) id: 3e43640b9a (このIDを非表示/違反報告)
ねむねむねむね(プロフ) - ちぢぶさん» コメントありがとうございます！自分で書いていてわかりにくくないか不安だったのでそう言っていただけてすごく嬉しいです！✧私も主人公ちゃんの性格大好きなのでもっとたくさん魅力を引き出せていけたらなと思います！こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月8日 15時) (レス) id: f136dcc095 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - コメント失礼します！情景がすっと思い浮かんでくるような描写の仕方やキャラ達の個性が引き立つセリフの言い回しがとっても好きです...！主人公ちゃんのキャラクターも素敵で、キャラ同士の絡みも読んでてワクワクしました...！これからも応援しています！ (2023年3月7日 17時) (レス) @page27 id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむねむねむね | 作成日時：2023年2月21日 12時
