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第十話「花束」 ページ10

最後の一人を思い出せずにいると、少女が喋り出した。


『その三人の事は知ってるわ。寂雷さんには良くしてもらってた。今も時々花束を持ってくるわ』


………花束?

はて、この部屋で花束を見た記憶は一切無い。

それに……。


「会ったことありませんが」

『寂雷さんは朝早くに来てすぐに帰っちゃうから。お仕事が忙しいみたいね』

「何のお仕事ですか」

『医者よ』


医者。

なるほど、少しずつ辻褄があってきた。


『一郎くんと左馬刻くんは、そこまで親しくなかったわね。不良だったから』


【The Dirty Dawg】と親しい仲だったのか。

今やかなりの大物になっているのに、彼女がそれを知らないのはやはり……。


『あら、今廊下の方から変な音鳴らなかった?』

「?小生には聞こえませんでしたが」


と、扉を開くと花束が置いてあった。

綺麗な、彼女の髪と同じ桃色の花。


廊下を見渡すと、階段の方に走っていく青色の髪の少年の姿。


『それ、花束?』

「えぇ、あなた宛てみたいですよ。青色の髪の友人に心当たりは?」

『心当たり、無いわね。その花束貸して』


花束を渡すと、中を探り出して少女は"それ"を見つけた。

水色、ソーダ味のチュッパチャプス。


『……!…もしかしたら、友人だったのかもしれない』


部屋が一段と寒くなった。

第十一話「手跡」→←第九話「The Dirty Dawg」



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設定タグ:ヒプノシスマイク , 夢野幻太郎   
作品ジャンル:恋愛
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黒羽ひみと(プロフ) - いじいじさん» 初めまして!神です!(嘘ですよ) 読んでいただきありがとうございます♪ (2020年10月5日 1時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
いじいじ - えぇ…神ぃ……? (2020年10月1日 12時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 黒羽ひみとさん» まじですか?あの駄作を…神ですね。こちらこそこんな素敵な小説を読ませて戴いてありがとうございます (2019年7月23日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - そまそまりつりつさん» コメントありがとうございます!そまそまりつりつさんの作品最近見たので、テンション上がりました!途中、寒気や突然現れたり消えたりの描写があるので、怖いかも?と思い、一応ホラーにしました。儚さもありますね。読んでくださりありがとうございました! (2019年7月23日 23時) (レス) id: 11b0ce94e5 (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 解説を読む進める度に「はぁ…」と納得のため息を漏らし過ぎて親にうるさいと言われましたw俺個人の意見ですがホラーと言うより、儚い物語のようにも思えました。とても面白かったです。 (2019年6月28日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2018年8月3日 12時

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