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第八話「ありがとう」 ページ8

彼、というのは恐らく男。

それはただの友人なのか、それとも……。

そう考えると胸がキリキリと鳴いた。


『私にはもう待ってる人はいないけど、あなたにはいるんだから、私なんて放って友人の所に……』

「巫山戯たことを言わないでください」


勝手な話だ。

俺があなたを放っておけるはずがないのに。

だって、俺は会ったその日に君に魅せられて、今日もこの病室に足を運んでいる。


毎日この冷房の効き過ぎた部屋に。


「小生があなたと会うのをいつも待っています」

『……それも、嘘?』

「嘘なら、良かったのかもしれませんね」

『!!…ありがとう』


何に対してのありがとうなのか、小生には分かりきっていた。

だけど今日も知らないふりをして、彼女に接する。


「聞いてください。面白い話を考えてきたのです」


いつものようにそう言う小生に、彼女もいつものようにクスリと笑って。


『またデタラメな話?』


と。


* * *


「おい幻太郎、なんかその話暗くね?」

「たまには良いでしょう?刺激的で」


まぁ小生、面白い人生を送ってきてないもので。

実話となると大体暗くなる。


「けどその女、チュッパチャプスなんて乱数みたいだよな」

「あぁ、そういえばそうですね。でも女の子なら飴玉くらい舐めるんじゃないですか、ねぇ乱数……乱数?」

「え?……あーそうだね!ところで幻太郎、その女の子って幻太郎がいくつの時に会ったの?」

「確か高校三年生の時だったと思いますよ」

「ふーん。幻太郎が高校三年の時に、ね」

第九話「The Dirty Dawg」→←第七話「飴玉」



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設定タグ:ヒプノシスマイク , 夢野幻太郎   
作品ジャンル:恋愛
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黒羽ひみと(プロフ) - いじいじさん» 初めまして!神です!(嘘ですよ) 読んでいただきありがとうございます♪ (2020年10月5日 1時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
いじいじ - えぇ…神ぃ……? (2020年10月1日 12時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 黒羽ひみとさん» まじですか?あの駄作を…神ですね。こちらこそこんな素敵な小説を読ませて戴いてありがとうございます (2019年7月23日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - そまそまりつりつさん» コメントありがとうございます!そまそまりつりつさんの作品最近見たので、テンション上がりました!途中、寒気や突然現れたり消えたりの描写があるので、怖いかも?と思い、一応ホラーにしました。儚さもありますね。読んでくださりありがとうございました! (2019年7月23日 23時) (レス) id: 11b0ce94e5 (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 解説を読む進める度に「はぁ…」と納得のため息を漏らし過ぎて親にうるさいと言われましたw俺個人の意見ですがホラーと言うより、儚い物語のようにも思えました。とても面白かったです。 (2019年6月28日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2018年8月3日 12時

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