夏が来る度に１ ページ26
夏の香りは、君の事を思い出す。
「Stella」と記された原稿。
これは俺たちポッセをモデルに書いた物語だ。
だが、昔考えた物語のリメイクでもある。
そうあれは、何でも無いいつもの法螺話。
＊ ＊ ＊
『すごい……私、感動しちゃった』
少女は楽しそうに笑っていた。
今回の話は、笑える話というより感動する話だ。
罪と後悔を抱えた三人が手を取り合って、前を向いていく話。
彼らはこれから、狭い自分たちの星を離れて、自由にいつまでも前を向いて歩んでいくんだろう。
そんな、希望が照らし出されている。
『三人は、これからどんな星にいくのかしら』
「さぁ。きっとサーカスみたいに賑やかな星ですよ」
『そうね。なら、私の星にも来てくれるのかしら』
"私の星"
『ねぇ幻太郎。もし、幻太郎のキャラたちが私の元へ来てくれたら、素敵だと思わない？』
「……そうですね。ちなみに、あなたの星はどんな星なんですか」
彼女が"作った"星。
そう捉えながら聞いた。
『そうね……冷えてて毎年氷ってるようなって、それじゃあ三人目と被るわね』
三人目。
隅っこの星に住む人間ではない彼のことだ。
『でも、そこにいそうな気がするの』
「……どうしてですか」
『だって、私』
太陽の光が、真っ白な彼女の肌を照らした。
『好きなんだもの。永久を糧に咲く白いカメリア』
科学者は、氷の上で咲くカメリアの研究をしている。
何故自分がそんな研究をしているのか、彼自身はもう覚えていない。
ただ、彼は故郷を見たいと願う。
研究に没頭している間に消え去った故郷を。
恋い焦がれた命の欠片、か。
「この話は終わりにしましょう。小生はそろそろ、友人の病室に行ってきます」
『そうね。また今度にしましょ、幻太郎』
遅いだなんて、思いたくないのに。
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黒羽ひみと(プロフ) - いじいじさん» 初めまして！神です！(嘘ですよ) 読んでいただきありがとうございます♪ (2020年10月5日 1時) (
レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
いじいじ - えぇ…神ぃ……？ (2020年10月1日 12時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 黒羽ひみとさん» まじですか？あの駄作を…神ですね。こちらこそこんな素敵な小説を読ませて戴いてありがとうございます (2019年7月23日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - そまそまりつりつさん» コメントありがとうございます！そまそまりつりつさんの作品最近見たので、テンション上がりました！途中、寒気や突然現れたり消えたりの描写があるので、怖いかも？と思い、一応ホラーにしました。儚さもありますね。読んでくださりありがとうございました！ (2019年7月23日 23時) (レス) id: 11b0ce94e5 (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 解説を読む進める度に「はぁ…」と納得のため息を漏らし過ぎて親にうるさいと言われましたw俺個人の意見ですがホラーと言うより、儚い物語のようにも思えました。とても面白かったです。 (2019年6月28日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒羽ひみと | 作成日時：2018年8月3日 12時
