病室で逝った君3 ページ21
それでも、しばらくは様子を見ていた。
飴は何個か溶けだして駄目になったけど、俺はまだ駄目になってなかった。
だけど、長い病院通い。
他人の入退院を見ながら、周りの部屋のネームプレートが変わる様を見ながら、Aを待つのは本当に酷だった。
「お望みなら、安眠させる事も可能ですよ」
そう言ってきたのはとある医者だった。
日本で安眠死は犯罪、殺人に当たる。
だからあの人は闇医者だったんだと思う。
「……Aは安らかに眠る事が出来ますか」
そう聞いていた。
そこからは早かったよ。
注射で薬を投与して、本当に表向き外傷無くAは死んだ。
そう、俺が殺した。
「乱数くん、どういう事だ。何でそんな事を……!」
寂雷は真っ先に僕を責めてきた。
僕は"いつもの通り"に笑って。
「別に、もう良いかな〜って思っただけだよ。Aだって今頃きっと天国で幸せになってるよ!」
久しぶりに明るい声を出したから、少し裏返りそうになったけど、いつも通りの飴村乱数だ。
寂雷は信じられないって目をしていた。
「私は、君を少し嫌いになったよ……」
嫌いに、ね。
「気にしないで!僕も寂雷の事、大っ嫌いだから」
俺も、Aを救えない医者なんか大嫌いだ。
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黒羽ひみと(プロフ) - いじいじさん» 初めまして!神です!(嘘ですよ) 読んでいただきありがとうございます♪ (2020年10月5日 1時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
いじいじ - えぇ…神ぃ……? (2020年10月1日 12時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 黒羽ひみとさん» まじですか?あの駄作を…神ですね。こちらこそこんな素敵な小説を読ませて戴いてありがとうございます (2019年7月23日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - そまそまりつりつさん» コメントありがとうございます!そまそまりつりつさんの作品最近見たので、テンション上がりました!途中、寒気や突然現れたり消えたりの描写があるので、怖いかも?と思い、一応ホラーにしました。儚さもありますね。読んでくださりありがとうございました! (2019年7月23日 23時) (レス) id: 11b0ce94e5 (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 解説を読む進める度に「はぁ…」と納得のため息を漏らし過ぎて親にうるさいと言われましたw俺個人の意見ですがホラーと言うより、儚い物語のようにも思えました。とても面白かったです。 (2019年6月28日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2018年8月3日 12時