病室で逝った君1 ページ19
スキップしながら、墓と墓の間を進んで行く。
後ろからは幻太郎が渋々といった様子をしながらも、ついてきていた。
「とうちゃーく!はい、ここがAの眠る場所」
飴村A、僕の大切な妹。
僕が殺した可哀想な妹。
「ほーら、幻太郎も綺麗にするの手伝ってよね!Aの事が好きならさ」
「好きですよ。だから、あなたの事が許せない。でも彼女は……」
「Aって呼んであげてよ。名前を教えたって事は、そう呼ばれたかったって事なんだから」
消える間際に名前を教えるなんて、Aも酷な事をする。
さすが僕の妹だ。
「Aはあなたを好いていました。だから、話ぐらい聞かせていただいてもよろしいんじゃないですか」
真っ直ぐな目。
そんな目も出来るんだ。
っていうか、Aがさせてるんだ。
「幻太郎は、僕たちのことはどこまで知ってるのかな」
「あなたが首を絞めた事ならご存知ですが」
あぁ、あの時の事か。
あの時は僕もどうかしていたな。
あんな苦しい殺し方をしようとするなんて。
「それに、なんで行ってあげなかったんですか」
行ってあげなかった、ね。
まぁ幻太郎からしたらそうだよね。
「俺は毎日お見舞いに言ってたよ。Aが眠り姫だった時にね」
特別に話してあげる。
嘘偽りの無い俺の話を。
132人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒羽ひみと(プロフ) - いじいじさん» 初めまして!神です!(嘘ですよ) 読んでいただきありがとうございます♪ (2020年10月5日 1時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
いじいじ - えぇ…神ぃ……? (2020年10月1日 12時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 黒羽ひみとさん» まじですか?あの駄作を…神ですね。こちらこそこんな素敵な小説を読ませて戴いてありがとうございます (2019年7月23日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - そまそまりつりつさん» コメントありがとうございます!そまそまりつりつさんの作品最近見たので、テンション上がりました!途中、寒気や突然現れたり消えたりの描写があるので、怖いかも?と思い、一応ホラーにしました。儚さもありますね。読んでくださりありがとうございました! (2019年7月23日 23時) (レス) id: 11b0ce94e5 (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 解説を読む進める度に「はぁ…」と納得のため息を漏らし過ぎて親にうるさいと言われましたw俺個人の意見ですがホラーと言うより、儚い物語のようにも思えました。とても面白かったです。 (2019年6月28日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2018年8月3日 12時