第一話「427号室」 ページ1
毎日のように行く友人のお見合い。
面白い話を頭の中で巡らせながら、病院の廊下を歩いていた。
「ん」
歩いている途中、扉が半開きになっている病室を見掛けた。
427号室。
個室みたいだ。
普段の小生なら気にせず通り過ぎていただろう。
だけどその時はその扉に惹き込まれた。
気付いたら小生は半開きになった扉から、病室を覗き込んでいて、中にいた少女に目を奪われていた。
窓の外を見ているため、顔は見えない。
体は痩せ細っていて、青白い。
年齢は小生と同じか、それより一つ二つ下くらいだろう。
『♪』
耳を傾ければ歌声。
よくよく見ると、耳にイヤホンを付けていた。
何を聴いているのか。
歌のリズムを聴く限り、それはラップ。
なら今有名な【The Dirty Dawg】の曲か。
……こんなに見つめていても仕方が無いな。
片足を後ろに下げた。
キュッと音が鳴った。
少女がこちらを見ようとするのを感じ、扉のすぐ横の壁に隠れる。
扉から出てきたら終わりだ。
しかし、足音がこちらに来る音が聞こえたものの、少女が廊下を覗くことは無い。
ただ静かに半開きになった扉が閉じる。
それが、小生が初めて見た少女の姿だった。
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黒羽ひみと(プロフ) - いじいじさん» 初めまして!神です!(嘘ですよ) 読んでいただきありがとうございます♪ (2020年10月5日 1時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
いじいじ - えぇ…神ぃ……? (2020年10月1日 12時) (レス) id: 071f62e8cb (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 黒羽ひみとさん» まじですか?あの駄作を…神ですね。こちらこそこんな素敵な小説を読ませて戴いてありがとうございます (2019年7月23日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - そまそまりつりつさん» コメントありがとうございます!そまそまりつりつさんの作品最近見たので、テンション上がりました!途中、寒気や突然現れたり消えたりの描写があるので、怖いかも?と思い、一応ホラーにしました。儚さもありますね。読んでくださりありがとうございました! (2019年7月23日 23時) (レス) id: 11b0ce94e5 (このIDを非表示/違反報告)
そまそまりつりつ(プロフ) - 解説を読む進める度に「はぁ…」と納得のため息を漏らし過ぎて親にうるさいと言われましたw俺個人の意見ですがホラーと言うより、儚い物語のようにも思えました。とても面白かったです。 (2019年6月28日 23時) (レス) id: 179de70c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2018年8月3日 12時