アシスタント36 ページ38
続く言葉は塞いだ。
だって、誰も捨て子なんて情報、聞いたって嬉しいものじゃないもん。
誰だって、明るい話の方が好きに決まっている。
『そういうわけなので、よろしくお願いします』
「ふむ……分かりました。小生からはこれ以上訊くつもりはありませんよ。出来たら仲良くしたいので」
そう笑う幻太郎さんは胡散臭いけど……。
まぁ、昔イケブクロの町中で合った糸目さんも同じようなものだったし。
そこまで気にすることでもない、か。
あの人、引き取られてからは一度も会ってないけど……元気に、してるのかな。
『分かりました。じゃあ、また今度ゆっくり話しましょう。今は仕事の最中なので』
「はい。では、別れる前に連絡先だけ」
『はっ。そうですね』
改めてスマホを取り出し、LINEを開く。
交換するならこのアプリ以外ないよね。
「はい。これで大丈夫です」
『おお……。ありがとうございます』
こちらの世界に来てから、順々と増える連絡先。
友達が増えてくみたいで嬉しいな。
昔に戻ったみたいだ。
笑顔で笑い掛ければ、幻太郎さんは何故か肩を揺らす。
思わず後ろを振り返ったけど……なにもいなかった。
『……どうかしました?』
「い、いえ。気にしなくて、結構です」
ほんの少しだけ、幻太郎さんは笑った。
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黒羽ひみと(プロフ) - アスカさん» 本当ですね汗。教えていただきありがとうございます!直しておきます。 (2019年10月5日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - すみません。27話から一気に30話になってますよ。 (2019年10月5日 0時) (レス) id: 1b47d3033b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2019年8月16日 9時