アシスタント35 ページ37
乱数さんに作ってもらった時間は数分。
だから早めに話は終わらせてもらおう。
『電話って、一昨日のですよね?』
「そうですね。母親との会話……だったように思えましたが」
___A、外が嫌になったらいつでも帰ってくるのよ。
___お母さんはずーっと、あなたの味方。
___俗物な男共の領域がどれほど醜いか、早く気付いて戻ってきておいで。
『……あれを母親だとは思ったことがありません』
「さいですか」
『その様子だと、私が中王区から来たことも知っていてそうですね』
幻太郎さんは頷きはしなかった。
でも、たぶん知ってる。
『お願いします。誰にも口外しないでください。出来ることなら忘れてください』
「分かりませんね……その情報はそこまで知られたくないことですか。今どき中王区から来た女性など珍しくもない」
『知られたくない、というと語弊があります』
「?」
『正確には、私が中王区の者だと"思われたくない"ですね。それに……』
それに、私は捨て子だから。
中王区の人間になることは出来ない。
あの人の子供にも。
___あんなクズお兄ちゃんじゃないよ。
___いっつもどこに行ってるのか分かんないし。
___ねぇ、Aがおれらのねーちゃんになってよ。
___そんなこと言ったら駄目だよ。きっと一郎くんだって、色々あるだけなんだから。
あの子たちの姉になることも、出来なかったなぁ。
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黒羽ひみと(プロフ) - アスカさん» 本当ですね汗。教えていただきありがとうございます!直しておきます。 (2019年10月5日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - すみません。27話から一気に30話になってますよ。 (2019年10月5日 0時) (レス) id: 1b47d3033b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2019年8月16日 9時