アシスタント12 ページ12
夕方六時。
通常勤務なら、そろそろ帰宅の時間だろう。
"小生"は、人を観察するのが好きだ。
観察して、その人の人生を想像する。
そして今の時間帯は、それに打って付けだった。
『はい、Aです。大丈夫ですよ』
話をしていれば、電話をする女性。
?
今、乱数の事務所から出て来たな。
乱数が女性を事務所兼、自宅に連れ込むことは珍しいことではないが……。
彼女は、どんな人間なんだろう。
耳だけを傾けながら他所を向く。
どこのどんな人との電話だろうか。
想像してみよう。
『心配いりません。仕事は順調です。はい。お母様には感謝してます』
お母様、か。
どこかのお偉いお嬢様……。
それともそれを装っている者だろうか。
『私を引き取って面倒を見てくれたことには、恩を感じています。……中王区から出してくださったことにも』
前髪で顔が隠れているため、表情は見えない。
『?働き場所、ですか』
女性は後ろを振り返り、乱数の事務所を確認する。
……乱数の元で働いているのか?
おかしい。
俺の記憶では、乱数は誰かを雇ってはいなかったはずだが。
『はい、そうです。飴村乱数さんの』
…………何か、裏がありそうだな。
『…………はい?乱数さん、が……"The Dirty Dawg"のメンバー……?』
明日少し、乱数を揺すってみるのも良いかもしれない。
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黒羽ひみと(プロフ) - アスカさん» 本当ですね汗。教えていただきありがとうございます!直しておきます。 (2019年10月5日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - すみません。27話から一気に30話になってますよ。 (2019年10月5日 0時) (レス) id: 1b47d3033b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2019年8月16日 9時