【刀剣乱舞】その審神者、仕事中毒により。

29.食事は義務 ページ29

「どう！いう！こと！です！か！？」


厨房にて三日月に詰め寄った。

自分が信頼されていない上、最悪殺される可能性があることも忘れて三日月を壁に追いやった。

腹が立つことに三日月は首を傾げて眉を顰めている。


いやいまはそんな顔をしていい場面じゃない。


「どうももなにも、付喪神に食事は必要ないだろう？おぬしこそなにを怒っているんだ」


しまいにはそんなとんでもない発言までしでかし、頭を抱えた。

嘘だろ嘘でしょ。この本丸の刀剣男士ってもしかしなくても食事を取ったことがない？

昨日と今日の朝は持参していた栄養食品で腹を満たしたため、食料庫や厨房には足を運んでこなかった。

それが今日、いま、覗いてみれば野菜一つ、肉一つ見当たらない。

あるものといえば賞味期限の切れた缶詰で、聞いてみれば前任が食べていたものらしい。どうりで畑仕事と聞いて腑に落ちない顔をするわけだ。


よくない。これは非常によくない。

必要以上に関与しないとは決めたが、ここは別だ。
食事は義務だ。

刀剣男士の健康管理は審神者の仕事である。

全くどうしてもっと早くに気付けなかったのか。いや、二日目にして気付けたのはむしろ幸いだったのかもしれない。


「……燭台切光忠を呼んできてください」

「燭台切を？なぜ」

「いいから呼んできて、今すぐ」


有無を言わさぬ勢いで命令すれば、三日月が怯む。

三日月を怯ませるってちょっと自分ヤバいなって思ったけど知らん。緊急事態だ。

一年以上食を口にしていない刀剣男士が三十振りいる方がヤバい。

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