01.審神者とは仕事である ページ1
現代において、審神者とは歴とした仕事である。
仕事とは責任が付き物であり、罪を犯せば罰があり、一つの過失が穴となる。
たった一度の過ちが全ての地位や名誉、生涯の幸福を奪うこともある。
――そして、その過ちを反省させる時間をくれるほど、社会は甘くなかった。
「立花さん、退院おめでとうございます」
時の政府のお役人が恭しく頭を下げる。当たり前だが、その表情に労るような感情はない。
以前は冷たいと感じていた態度にも、今では呼応し私も頭を下げた。
「……いえ、長期休養を取ってしまい申し訳ありませんでした。本日私が呼ばれたのは『解雇通告』といったところでしょうか」
つらつらと抑揚のない声で問いかけた。
政府のお役人は顔を上げると静かに首を振る。
「安心してください。"あの程度"のことで、そこまでの重責に問われることはありません。それにあなたは"五年間"もの間、審神者を勤め上げた御仁です。そう簡単に解雇できるほど、こちらに余裕はありませんよ」
「……なら、本日はどういったご要件で」
お役人は複数の資料をテーブルに並べた。
本丸の外観、内装、全体図といった、審神者に就任する日に見せられたものと、形は異なるが全く同じものを突き出される。
また新しく本丸を築き上げろということだろうか。
しかしその予想は、新しく見せられた写真によって外れることとなった。
「……なんですか、これは」
初めに出された資料とは似ても似つかない、けれど面影のある城の写真。
真っ白な壁は黒く汚れ、床板は穴が開き、柱は崩れ掛かっている。
庭の写真も同じようなもので、畑は荒れ果て、最早何の木か分からない大木は所々枝が折れていた。
「こちらはくろのすけに撮らせた、とある本丸の現在の様子です。前任審神者が亡くなり、見ての通り本丸の役割を果たせていません」
「はぁ」
「あなたにはこの本丸を引き継いでもらい、 本来の本丸へと修正していただきます」
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黒羽ひみと(プロフ) - 黒無さん» お褒めの言葉ありがとうございます！更新は今しばらくお待ちくださいませ！ (2020年9月26日 14時) (
レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - waterさん» ありがとうございます。更新止まってしまいすみません！時間ができ次第再開します。 (2020年9月26日 14時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
黒無(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！更新待ってます！！ (2020年9月24日 12時) (レス) id: 2b98e9a281 (このIDを非表示/違反報告)
water(プロフ) - 面白い。いい作品に会えて良かったです。更新待ってます。 (2020年9月24日 12時) (レス) id: e941bacba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒羽ひみと | 作成日時：2020年8月23日 12時
