【ヒプマイ】私はただのオネーさん【飴村乱数】

25.不満 ページ25

寂しい、こと？


「乱数ちゃ……」

「もう今日の話はおっしまーいっ。僕は仕事するよっ」

「待ってよ」


あ。


……ううん。

良いの。

聞かないといけない気がした。


「乱数ちゃんは、本命作らないんじゃなかったの。オネーさんみんなの者って、言ってたでしょ」

「僕はみんなの者だよっ。明日は初めてのオネーさんとデートなんだっ。その次は最近よく話すオネーさんっ」


なら、なんでさっき。


___でも、そのオネーさん好きな人と結ばれたんだって。


あの時、乱数ちゃんは何にも気になることなんて無いって顔に見えた。

あれは、嘘？

本当に、本当は……。


「乱数ちゃんは、寂しさを埋めるためにたくさんの女の人といるの」


それは、口に出ていた。

こんなこと普通は言わない。

踏み込まないようにしてきた。

隠すことなら、知らない方が良いと思っていた。


「A」

「っ……」

「僕はショートケーキのイチゴが好きだよっ」


……？

イチゴ？

私も、好きだけど。


「大好きなイチゴをパクって食べて、他は飽きたら捨てちゃうっ。美味しいところだけ食べられたら満足でしょっ」


え……？


「オネーさんだってそう、離れていったら追わないっ。楽しい思い出が作れたから、それでおしまい。向こうも僕とはそういう関係。持ちつ持たれつってね」


……そっか。

そうなの。


乱数ちゃんは、本当に信頼出来る人がいないんだ。

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