45.噂の最下級構成員 ページ5
Noside
路地裏である男と少女が相対していた
男の腕には噛まれたような傷がある
A「あの…大丈夫、ですか?」
少女はその腕を指差す
?「あぁ」
A「こんな路地で一体何をしてたんです?」
?「犬を探していた」
何でもない風に答える男に少女は首を傾げて台詞を反復する
A「犬?」
?「あぁ。依頼人の飼い犬でな」
そう云いながら男はゴミ箱を覗き込む
A「なるほど。一緒に探しましょうか?」
?「良いのか?」
A「ええ。だって、犬はそんな所には居ないと思いますし…
貴方だけでは見つけられなさそうなので」
?「そうか。助かる」
大人びた少女の物云いは少々失礼であったが、男は気にせずに少女の申し出を受け入れた
A「それじゃあ探しに行きましょう!
あっちの方に行ったんですか?えーっと…」
?「俺は織田作之助だ」
A「私は瀬良Aです。宜しくお願いします!織田さん」
織「瀬良…?」
A「?はい」
織田は僅かに目を見開いたが、直ぐに平常に戻った
織「いや、宜しく頼んだ」
織田がそう云うと、Aは綺麗に微笑んだ
.
暫く2人並んで路地を歩く
A「ちなみに織田さん。そのわんちゃんって、どんなわんちゃんなんですか?」
織「あぁ。犬種はハスキーで、名前はヘクトーだ」
A「へ、ヘクトー、ですか」
何てヘンテコな名前であろうか
織「どうかしたか?」
A「あ、いえ、ただ、名前が珍しいと云いますか、ユニークと云いますか…あはは」
織「そうか?おっ」
おっと?此男も中々の感性をお持ちか?
そう思わないでも無かったが、Aはそれを心の中にしまった
それよりも織田の最後の謎の発声と歩みを止めた理由が気になってしょうがない
織田はある一点を見つめていた
するとその時、そのある一点から一匹の犬が飛び出してきた
A「あ、ヘクトー」
Aは指をさす
織田はゆっくりとヘクトーに近づいてゆく
そして、手を伸ばした
A「あ、織田さん、手出したらあぶn」
そう云い掛けた時、ヘクトーは織田の手に噛みついた
織「い''っ」
そしてヘクトーはそのまま逃げる
A「う〜ん…しょうがない」
その瞬間、少女は指を鳴らした
すると、ヘクトーの前には氷の壁が出来ていた
流石のヘクトーも目が点である
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作者名:紫乃 | 作成日時:2023年1月30日 17時