【第三章】29話 ページ30
カルム・マノン「えぇ!?」
サクラのまさかの発言に、マノンとカルムは驚きの声を上げる。
サクラ「どしたん?貰わんの?」
マノン「こんなの貰えないよ……それに…お金を貰って諦めるなんて……やっぱりおかしい…!」
サクラがそう聞く中、マノンは動揺しながらもそう告げる。
サクラ「えー…でも、大金やで?……アランはどうや?」
カルム(…これってもしかして………)
サクラは残念そうな顔でアランの方を向く。
アラン「……金の問題じゃない。ふえを返してもらえればそれでいいだけだ。大金は貰わない。」
サクラ「……………ホンマに?」
アラン「あぁ。」
アランがそう言うと、サクラは安心したように微笑んだ。
サクラ「……よかったわ。ここに居たのがおめーらで。」
サクラはそう言うと、レムリア姫に向き直して見つめる。
サクラ「………というわけや。大金は受け取らん。わしらはふえを返してもらうまでここから動かんで〜!!」
レムリア「なっ……!!!」
サクラの言葉にレムリアは驚愕する。
サクラ「わしらはこんな大金いらんのよ。欲しいのはふえや。」
レムリア「あなた達……正気ですの……!?」
サクラ「もちろんや。」
サクラは即答する。アラン達も同意するようにレムリア姫を見つめる。
レムリア「ぐぬぬぬ……ならば……仕方ありませんわ……」
マノン「!本当に!?」
レムリア「ただし!条件がありますわ。」
嬉しそうにするマノンに向かってレムリアは扇子で差し、告げる。
サクラ「……………なんや?…わがままなお姫様。」
レムリア「………トリミアンを」
アラン「………?」
レムリア「………あたくしのトリミアンを…探してきてほしいの……」
サクラ達は拍子抜けだった。一体どんな無茶振りをされるのがと思っていたが、予想外にも簡単なものだった。
レムリア「………幼い時からずっとそばにてくれたトリミアンが…ずっと宮殿の中で行方不明になってて……心細くて…」
レムリアは扇子で顔を隠していたが、よく見ると顔を赤くしてボロボロと涙を流していた。
サクラ「………これ嘘泣きやない。…ホンマに心細いんやろうな。」
サクラはアラン達にヒソヒソと話す。
マノン「うん……。あの人……寂しそうにしてる。」
カルム「うん……俺もそう思う。」
アラン「……分かった。それでふえを渡してくれるのなら受けよう。」
アランはレムリアの方を向いてそう言った。
レムリア「……本当ですの!?」
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネコ辛ラーメン1234 | 作成日時:2022年9月12日 22時